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             元素にトライ 〔1〕
            〔元素の世界にトライ〕
                                元素周期表


〔1〕 水素    〔2〕ヘリウム   〔3〕リチウム



 〔1〕水素 H  原子番号 1 
  水素はもっとも簡単な元素で、陽子(プロトン)が1個、電子(エレクトロン)1個でできています(中性子はありません)。
  宇宙でもっとも多い元素で、9割が水素、1割がヘリウムだそうで、他の元素は残りの一部です。重量比では水素は軽いため、宇宙の7割ほどになるそうです。
  プラスの電荷をもつ陽子の数が「原子番号」で、元素の種類を決定します。

  原子の重さのほとんどは原子核の重さで、電子は陽子の2000分の1ほどの重さです。
  水素の同位体(中性子の数が異なるもの)に、重水素(デュ―ティリウ・中性子1個)と3重水素(トリチウム・中性子2個)があります。
  同じ水素原子ですが、重さがおよそ2倍、3倍になります。

  水素は英語で Hydrogen(ハイドロゲン)で、「水の素」を意味するそうです。名付けたのはフランスのラボアジエで、化学反応の近代的、正確な考え方を打ち出した人です。水素(H)と酸素(O)が結びついて水(の分子・H2O)ができることを見抜いていたのでしょう。
  ラボアジエは近代化学の祖ともいわれる人物ですが、かつて「徴税請負人」という職業をやっていたため、1789年のフランス大革命のどさくさで、断頭台に送られてしまいました。

  4つの水素原子核は、太陽の中心部で融合してヘリウム原子核1個に変わります。そのときわずかに質量が消えて莫大なエネルギー(熱)が発生します。
  この「核融合反応」という仕組みのため太陽は何十億年という長い間、光り続けることができます。
  思えば水素は、太陽の光熱の源であり、生物に必要不可欠な「命の水」を構成する元素でもある、大変貴重な元素にほかなりません。

  
  〔2〕ヘリウム He  原子番号 2
   宇宙で2番目に簡単な元素がヘリウムです。普通のヘリウムはヘリウム4で、原子核は陽子2個、中性子2個でできています。末尾の4」は質量数(原子量)で、陽子の数と中性子の数の合計です。

 

 ヘリウムはイギリスの天文学者ロッキャーによって、1868818日のインドの皆既日食のとき、太陽コロナのスペクトル観測から発見されました。太陽コロナの中に未知の発光スペクトルが見られ、ロッキャーはそれを「太陽にしかない元素」と考えたのです。太陽をギリシア語でヘリオスというため、ロッキャーは未知の元素として「ヘリウム」と命名しました。ところがこれは確認のしようがないため、元素を研究している化学者には受け入れられなかったようです。

 それから20年以上たった1890年、ウラン鉱石から微量の不活性ガスが分離され、1895年にはそれがヘリウムと一致することが確認されました。そこから徐々にヘリウムが認められていきます。

 なぜウラン鉱物の中にヘリウムがあったのでしょう?1900年代の始め、放射性物質が放射する放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線の3種類あることが発見されました。このアルファ線こそ、ヘリウムの原子核だったのです。地下の放射性物質から、長年にわたって放射されたヘリウム原子核が、ヘリウムガスとして鉱物のすき間に蓄えられていたのです。

 ヘリウムの同位体にヘリウム3があります。中性子が1つの場合です。核子の中に陽子が2つ以上ある場合、中性子が介在しないとまとまらなくなってしまうようです。



 〔3〕リチウム Li 原子番号 3

  原子核に陽子3個を持つ原子がリチウムです。ギリシア語のリソス(Lithos・石)にちなんだ名前で、スウェーデンの化学者アルフェドソンによって、1817年、ペダル石から発見されました。鉱物界では広範に存在する元素のようです。

とはいえ地球上での存在量はナトリウムの500分の1、ケイ素(Si)の1000分の1しかありません。これは、陽子(P・プロトン)から、リチウム、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)が作られる反応が、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)を作る反応より起こりにくいためです。比較的マイナーな元素でもあります。

 

元素周期表のタテの列は似たような性質の元素が並びます。リチウムは水素のすぐ下ですが、気体の水素と異なり、リチウム以下は金属です。すべての金属の中でリチウムはもっとも軽く、水に浮くほどです。元素周期表の、リチウムのあるもっとも左の列はアルカリ金属というグループで、激しい化学反応をすることで知られています。また炎色反応で炎に入れるとさまざまな色を見せるグループでもあります。リチウムは深い紅色の炎色反応を示します。

 

 「リチウム電池」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。これは金属リチウムをマイナスの電極に使ったものです。これは使いきりの1次電池です。

充電ができる2次電池のリチウムイオン電池は、日本の吉村彰氏が開発しました。旭化成の吉村氏は、1985年にリチウムを含んだ金属を正電極とする「リチウムイオン2次電池(LIB)」の概念を確立。こうして安全で高電圧、高容量のリチウムイオン2次電池が、旭化成とソニーによって1991年、実用化されました。この2次電池は、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどの普及とともに需要が拡大し、その市場は1兆円規模に成長しています。

 2019620日、吉野氏は欧州発明家賞を授与されました。また「ノーベル賞に近い人物」ともいわれます。

 

 リチウムは現代のデジタル社会を支えているともいえるでしょう。

 

 

 



     〔元素周期表〕
 族1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
 周
アルカリ金属
アルカリ土類金属
希土類
・レアアース
チタン族
バナジウム族
クロム族
マンガン族
  鉄族・白金族
銅族
亜鉛族
ホウ素族
炭素族
窒素族
酸素族
ハロゲン
希ガス
  1
 1 
H
水素
                 2 
He
ヘリウム
 23 
Li
リチウム
 4 
Be
ベリリウム
           5 
B
ホウ素
6 
C
炭素
7 
N
窒素
8 
O
酸素
9 
F
フッ素
10 
Ne
ネオン
 3 11
Na
ナトリウム
 12 
Mg
マグネシウム
           13 
Al
アルミニウム
 14 
Si
ケイ素
 15 
P
リン
 16 
S
硫黄
 17 
Cl
塩素
 18 
Ar
アルゴン
 4 19
K
カリウム
 20 Ca
カルシウム
 21 Sc
スカジウム
 22 Ti
チタン
 23 V
バナジウム
 24 Cr
クロム
 25 Mn
マンガン
 26 Fe

 27 Co
コバルト
 28 Ni
ニッケル
 29 Cu

 30 Zn
亜鉛
 31 Ga
ガリウム
 32 Ge
ゲルマニウム
 33 As
ヒ素
 34 Se
セレン
 35 Br
臭素
 36 Kr
クリプトン
 5 37
Rb
ルビジウム
 38
Sr
ストロンチウム
 39
Y
イットリウム
 40
Zr
ジルコニウム
 41
Nb
ニオブ
 42
Mo
モリブデン
 43
Tc
テクネチウム
 44
Ru
ルテニウム
 45
Rh
ロジウム
 46
Pd
パラジウム
 47
Ag

 48
Cd
カドミウム
 49
In
インジウム
 50
Sn
スズ
 51
Sb
アンチモン
 52
Te
テルル
 53
I
ヨウ素
 54
Xe
キセノン
 6 55
Cs
セシウム
 56
Ba
バリウム
 57~
  71
ランタノイド
 72
Hf
ハフニウム
 73
Ta
タンタル
 74
W
タングステン
 75
Re
レニウム
 76
Os
オスミウム
 77
Ir
イリジウム
 78
Pt
白金
 79
Au

 80
Hg
水銀
 81
Tl
タリウム
 82
Pb

 83
Bi
ビスマス
 84
Po
ポロニウム
 85
At
アスタチン
 86
Rm
ラドン
 7 87
Fr
フランシウム
 88
Ra
ラジウム
 89~
 103
アクチノイド
 104
Rf
ラザホーシウム
 105
Db
ドブニウム

 106
Sg
シーボーギウム
 107
Bh
ボーリウム

 108
Hs
ハッシウム
 109
Mt
マイトネリウム
 110
Ds
ダームスタチウム
 111
Rg
レントゲニウム
 112
Cn
コペルニシウム
 113
Nh
ニホニウム

 114
Fl
フレロビウム

 115
Mc
モスコビウム

 116
Lv
リバモリウム

 117
Ts
テネシン

 118
Og
オガネソン


 ランタノイド 57
La
ランタン
 58
Ce
セリウム
 59
Pr
プラセオジウム
 60
Nd
ネオジム
 61
Pm
プロメチウム
 62
Sm
サマリウム
 63
Eu
ユウロビウム
 64
Gd
ガドリニウム
 65
Tb
テルビニウム
 66
Dy
ジスプロシウム
 67
Ho
ホルミウム
 68
Er
エルビウム
 69
Tm
ツリウム
 70
Yb
イッテルビウム
 71
Lu
ルテチウム
 アクチノイド 89
Ac
アクチニウム
 90
Th
トリウム
 91
Pa
プロトアクチニウム
 92
U
ウラン
 93
Np
ネプツニウム
 94
Pu
プルトニウム
 95
Am
アメリシウム
 96
Cm
キュリウム
 97
Bk
バークリウム
 98
Cf
カリホルニウム
 99
Es
アインスタイニウム
 100
Fm
フェルミウム
101
Md
メンデレビウム
 102
No
ノーベリウム
 103
Lr
ローレンシウム



         
 アルカリ金属 金 属 遷移金属 半金属 非金属 ハロゲン 希ガス ランタノイド アクチノイド
    典型元素 遷移元素    非金属     遷移元素

・周期表の中は原子番号、元素記号、日本語元素名
・元素の周期表は1869年、ロシアのメンデレーエフによって提案された
・原子番号は原子核に含まれる陽子(+電荷)の数
・半金属は定義が確定していない(いくつかの分類案がある)
・自然界には存在しない4元素(原子番号43、61、85、87)と、超ウラン元素(原子番号93以降)は人工放射性元素
・113番元素は日本の理化学研究所(理研)が発見(合成)した。2015年の年末、発見が認められて命名権を得る。 
・2016年6月、113番元素の名前をニホニウム(nihonium)と提案 その他、新たに決定した名前を、黄色で表記
  ・11月30日、新たな元素名4つが正式に認定される! 
     113番元素ニホニウムは、アジアで発見(合成)され命名された初の元素!「nihon+ium」
     ちなみに新たな名前のついた115、117、118の各元素は、ロシア・モスクワのドゥブナ研究所、米国立ローレン
ス・リバモア研究所、米国立オークリッジ研究所(テネシー州)の共同グループによって発見されている。
     115番のモスコビウムはモスクワに、117番のテネシンはテネシー州に、118番のオガネソンはドゥブナ研究所の
ユーリー・オガネシアン博士にそれぞれ由来している。

  ・〔命名ルール〕元素名の末尾が第1属から第16属までは末尾が「ium」、第17属は「ine」、第18族は「on」となる。
         (例外がある)。
          混乱を避けるため、一度つけられた名前は、正式なものでなくても、取り消されたものでも再度使う
          ことはできない。

・これで周期第7列までの元素が確定した


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