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★学びの小部屋-2016~2017

2017 ★ヘリウム    ★水素と酸素        ★
2016 ★星と花     ★中秋の名月-メモ     ★ブルームーン  

  ★水素と酸素   2017.9.12
 

2)水素と酸素

 

  水素(H)は英語でHydrogen(ハイドロゲン・水を生じるもの・ギリシア語より)といい、フランスの化学者ラボアジエが1789年に命名しました。(日本語名はそれを翻訳したものです。)

水素そのものは、イギリスの物理学者のキャベンデッシュが1766年に発見しています。水素は、もちろん当時は不明でしたが陽子1個、電子1個の、宇宙でもっとも基本的な元素です。

当時、物が燃えるのはフロンギストン(燃素・ねんそ)が抜け出るためと考えられていて、キャベンデッシュは、水素をフロンギストン気ととらえ、燃焼した後、水ができることも見つけています。

 水素と酸素は爆発的に結びついて水(H2O)になります。酸素は原子番号8(陽子8、中性子8)で、水の分子1個の中には陽子10個と中性子8個(電子の重さは無視できる)があり、その16/18は酸素の重さです。つまり水の重さの約9割は酸素原子なのです。

 

 酸素(O)は英語でOxygen(オキシゲン・酸を生じるもの)という。やはりラボアジエによって命名されました。ラボアジエは1779年(水素の10年前)、元素としての酸素を認識し、フロンギストン説を否定し、呼吸と燃焼における酸素の役割を解明しました。さらに彼は「酸(Acid・酸っぱいもの)」の素は酸素原子であると考えたのです。ところが、こちらは間違いだったのです。たとえば塩酸(HCl・塩化水素)に酸素(O)はありません。水素イオン(H・電子〔e-〕が取れてプラスの電荷をおびたもの)こそ「酸」のもとだったのです。酸のもとは水素だったのです。

 

 つまり水の重さのほとんどは酸素で、酸の素は水素イオン、というのが正しいのです。ところがこれは声だかに主張できない、化学の業界の「公然の秘密」なのです。今更、酸素が水素で、水素が酸素というのが正しいと言ったらどうなるでしょう。19世紀以降の化学の書物や教科書はすべて訂正しなくてはなりません。混乱が広がるだけです。

 

 というわけで、元素のなんたるかが良くわからないままつけられた名前が歴史的にあるのです。水素と酸素はやや名前と実態とは違っているものの、水素と酸素であり続けるのです。

 

◆月光天文台・新館では、元素やスペクトルに関する展示も行われています。


 
  ★ヘリウム    2017.9.12
 

1ヘリウム Helium

   

 太陽の光を分光すると虹の色(スペクトル)が現れます。さらにくわしく調べるといくつもの暗線が見え、研究者の名前からフラウン・ホーファー線とも呼ばれます。後からわかったのですが、これは特定の元素が決まった波長の光を吸収したものです。またその元素が高温の場合、逆に強い光(輝線・発光スペクトル)となって現れます。

 

 今から約150年前、イギリスの天文学者ノーマン・ロッキャーは、1868818日の皆既日食(インド)のとき、太陽コロナの中に未知の発光スペクトルを見つけ、太陽にしかない新しい元素であると考えました。そして太陽・ヘリオスから、その未知の元素にヘリウムと名付けたのです。しかし、これは化学者にはあまり受け入れられませんでした。

 

 それから20年以上たった1800年代の末頃、ウラン鉱石の中から、微量の不活性ガスが見つかり、ウィリアム・ラムゼーはこれを未知の気体であると確認しました。やがてこの未知の気体のスペクトルが、ヘリウムのそれと同じであることが確認されました。なんとヘリウムは地球にもあったのです。

実は放射性元素が出す放射線のうち、アルファ線はヘリウムの原子核です。ヘリウムは地下の放射性元素から少しずつ放出され、鉱物の中にたまっているのです。

 

 ヘリウムは原子番号が2番目の原子であり、宇宙創成のとき、もっとも基本的な水素に次いで作られた2番目に多い元素です。

ところでヘリウムという名前、少し問題があります。元素周期表を見ると、ヘリウムは右端の第18族のところにあります。ここは希ガスとも呼ばれる気体で、ほとんどの元素と反応しない安定した元素のグループです。ところがヘリウムのウムは金属元素につけられる名前だったのです。希ガスのグループは、ネオンとかアルゴン、キセノン、ラドンのように最後がオンで終わります。でもその正体がわかる前に名づけられたヘリウムは、もう変えようがありませんね。

 

 ところでスコットランドのウィリアム・ラムゼーは、アルゴンなど希ガスの元素の発見に、多く関わっているという、不思議な化学者です。

 

 ロッキャーはヘリウムを見つけた翌年、科学誌「ネイチャー」を創刊し、科学者の地位向上に努めました。

 

◆月光天文台・新館では、元素やスペクトルに関する展示も行われています。



★ブルームーン

                            2017.03.17


 太陽暦のひと月に満月が2回ある月をいう。(いくつかの伝えのうちの一つ)

  この定義によると、2018年は1月と3月がブルームーンとなる。

   ブルームーンについて調べてみた。

 

1月と3月がブルームーン

 199120102018

 

●年に1回のブルームーン

19505月)、 195212月)、 19533月)、 195510月)、

19587月)、 19615月)、 196312月)、 19668月)

19695月)、 19721月)、 197410月)、 197710月)

19804月)、 198212月)、 19858月)、 19885月)、

199310月)、 19967月)、 19994月)、 200112月)、

20048月)、 20076月)、 20128月)、 20157月)、

202010月)

 

・新こよみ便利帳(恒星社厚生閣、1991年)により、ブルームーンの起きる頻度を調べてみた。期間は1950年から2020年までの71年間。

 

・〔結果〕

この期間にブルームーンとなる年は、28回で、そのうち3年は1年に2回起きた。ブルームーンの総数は31回となり、平均約2.3年に一度のブルームーンが起きることになる。

 

 31回のブルーム-ンのうち、ひと月が30日の4月・6月に起きるのは3回で、10%ほどと少ない。

 

 今後、資料があれば、21世紀のブルームーンの頻度を調べてみたい。

 

 

 








 ★中秋の名月メモ

                            2016.09.18

 

 中秋の名月となる915日の午後、共同通信社からの問い合わせがあり、調べたこと、またその後、暦の会の方よりご教授いただいたことを記しておきます。

 問い合わせは、「15日が中秋の名月(旧暦815日)になるのは、何年ぶりか?」ということ。本年は915日であるが、10月でも構わないという。

 ■1015日が中秋の名月になる可能性があるのだろうか?

 ※1)秋分が「八月中気」ですから、一番遅くても旧暦八月は秋分から始まります。したがって新暦101日/15日が旧暦八月1日/15日になることはあり得ませんね。

 

 そこで「新暦便利帳」(恒星社厚生閣)で調べてみた(便利だ)。「旧暦各月1日と現行暦との対照表」というのがあり、1870年(明治3年)から2020年までのデータが載っている。現行暦の915日が、旧暦の815日になるのは、旧暦の81日が現行暦の91日になる場合を調べればよい。その結果1970年が当てはまった。

 できれば夕方のニュースにも、この内容を伝えたいというので、取りあえず、「915日が中秋の名月になるのは、1970年以来46年ぶり」とお応えの電話を入れました。さすがは共同通信、全国に配信した模様です。

 

 当天文台スタッフの一人が、「次に915日が中秋の名月になるのは?」といったので、もう一度、過去を含め、目を通してみました。

 頭の片隅に「暦の会」などで教えられた、「月の満ち欠けは19年毎に繰り返す」というのがありました。

 

 新暦便利帳によると、91日が旧暦81日になるのは以下のとおり。

  西暦       間隔(年)

  1882

  1913       19

  1932       19

  1951       19

  1970       19

  2016       46

 

 なるほど19年周期が見事にでています。しかし1970年からは1日ほど前後し、再び915日が中秋の名月となるのは46年後の今年となっています。

では未来はどうでしょう?「21世紀暦」(日外アソシエーツ)に当たってみました。現行暦の91日が旧暦81日になる例を、2016年から19年毎に見たものです。以下の通り。

 

西暦    旧暦81日の現行暦の日付

2016      91

2035      92

2054      92

2073      92

2092      92

 

 ■19年周期、かなり顕著ですが、次に915日が中秋の名月になる年はみあたりません。しかし次のようなコメントをいただきました。

 ※21970年から57年(19×3)の2027年がそうです。

  さらにその19年後の2046年も。

  1989年、2008年は微妙にずれるんですが、この系列しぶとく生きているようですね。 

 さらに次のようなメールを受領(一部)。

3)うちの環境で、これを計算する方法は何通りかあります。When.exe MS-DOS 版 : Windows 7 32bit版以前のバージョンであれば、When.exe MS-DOS 版が動きます。

 

 C:\>whenhv *y(200) /(eg) 2016 9 15"==8 15"

  e  2016  8 15 丙申 G  2016  9 15 September

  e  2027  8 15 丁未 G  2027  9 15 September

  e  2046  8 15 丙寅 G  2046  9 15 September

  e  2065  8 15 乙酉 G  2065  9 15 September

  e  2122  8 15 壬午 G  2122  9 15 September

  e  2141  8 15 辛丑 G  2141  9 15 September

  e  2198  8 15 戊戌 G  2198  9 15 September

 

2065年までは「21世紀暦」で、答えを確認できました。

というわけで、今回(2016年)のように9月15日が中秋の名月となるのは、1970年以来46年ぶり、次は11年後の2027年、その次はそれぞれ19年後の2046年、2065年となります。21世紀には、4回起きることになります。

 青色の※1.2は、暦の会の石原幸男氏、※3は暦の会の須賀隆氏からのコメントです。大変勉強になりました。有り難うございました。

                        〔月光天文台〕


 ★星と花   
            土井晩翠「天地有情」(明治32年)より

  星と花

 同じ「自然」のおん母の
 御手にそだちし姉と妹(いも)
 み空の花を星といい
 わが世の星を花といふ。

 かれとこれとに隔たれど
 にほひは同じ星と花
 笑みと光を宵々に
 かはすもやさし星と花。

 されば曙(あけぼの)雲白く 
 御空の花のしぼむとき
 見よ白露のひとしずく
 わが世の星に涙あり。

==============
          以上
 土井晩翠は「荒城の月」の作詞者。
 明治の香りがするようですね。



         
                                                                 


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