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公益財団法人 国際文化交友会 月光天文台

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★学びの小部屋-2015

 (1)月光天文台40周年    (2)韮山反射炉   (3)うるう秒、挿入   (4)ニューホライゾンズ   (5)りゅうぐう
 (6)日本人2人にノーベル賞  (7)かぐらが完成
  

  ★ (7)かぐらが完成
    東大宇宙線研究所が岐阜県の神岡町の地下に建設していた、重力波望遠鏡「かぐら」が完成し、11月6日、報道陣に公開された。
    重力波は、ブラックホールなどの重い天体が動いたときに、周囲の空間が伸び縮みして波のように伝わる現象。
    かぐらは、L字型に延びた長さ3キロメートルのトンネルに設置されている。トンネル内の真空のパイプにレーザー光を飛ばし、反射してきた光を精密に測定して空間のゆがみを捉える。わずかな振動もノイズとなるため、200メートル以上の地下に建設された。
    2017年度には本格観測に入る計画。



  ★ (6)日本人2人にノーベル賞
    10月5日、スウェーデンのカロリンス研究所は、2015年のノーベル生理学・医学賞を、大村智(さとし)北里大特別栄誉教授(80)ら3人に贈ると発表。翌6日、スウェーデンの王立科学アカデミーは、ノーベル物理学賞を、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章教授(56)と、カナダ・クイーンズ大学のアーサー・マグドナルド名誉教授に授与すると発表した。
    大村氏の業績は、「寄生虫病の新たな治療に関する発見」で、大村氏の発見した土壌中の微生物から「イベルメクチン」などの薬がつくられアフリカなどで広く貢献した。
    また梶田氏の業績は「ニュートリノに質量があることを、観測により発見」したことで、物理学の標準理論に一石を投じた。
    ニュートリノは1956年に発見された素粒子の一種で、ほとんど何ものとも反応しないので検出が困難とされる。
    1970年代に確立された「標準理論」では、ニュートリノの質量はゼロとしている。




  ★ (5)はやぶさ2の目標が「りゅうぐう」と命名される
    JAXA(宇宙航空研究開発機構)は10月5日、小惑星探査機「はやぶさ2」が向かっている小惑星「1999JU3」の名前を「Ryuguu(りゅうぐう)」
と決定したと発表した。名前の公募には約7300件の応募があり、Ryuguの提案は30件あったという。竜宮城から玉手箱を持ち帰る浦島太郎の物語にかさなる。
    はやぶさ2は、2014年12月に打ち上げられ、2018年にりゅうぐうに到着、2020年の年末頃帰還する予定。                                  

  ★(4)ニューホライゾンズ
             New Horizons
                          7月17日(金)
    7月14日、アメリカNASAの冥王星探査機が、9年半の飛行の後、冥王星に接近し観測することに成功しました。探査機の名前は
「ニューホライゾンズ」で日本語では「新しい地平線」とでもいうのでしょうか、移民の国アメリカらしい名前です。

    冥王星は1930年、アメリカのローウェル天文台のトンボ―により発見された天体で、80年近く「最遠の惑星」、あるいは「第9番目の惑星」とされてきました。明るさは14等級と暗いものの、アメリカによって初めて発見された惑星でもあります。
    ニューホライゾンズは2006年の1月に打ち上げられましたが、ちょうどその年の8月、国際会議で冥王星が準惑星に分類されたときには、アメリカの天文学者の抵抗があったと伝えられます。

    冥王星は、太陽と地球の距離(1天文単位)の40倍も遠い軌道を回っており、探査機が訪れるのは初めてのことです。さらに冥王星の軌道は大きくゆがんでおり、太陽に近い時は約30天文単位)、遠い時は約50天文単位にもなります。太陽に近くなった1979年から20年ほどは、海王星よりも太陽に近づき話題になりました。
    1978年には、冥王星の直径の半分ほどの衛星カロンが発見されました。その後も発見があり、現在冥王星の衛星は5つ(カロン、ニクス、ヒドラ、ケルベロス、スティクス)もあります。

    これまで誰も見たことのなかった冥王星の詳しい姿を明らかにするこのたびの接近は、科学の威力を改めて感じさせられます。
   
             ・画像はこちら 月光天文台 Face Book

 

    ★(3)うるう秒、挿入
        Insertion of leap second
                           2015年7月1日(水)
  7月1日の午前9時前、8時59分59秒の後に「8時59分60秒」が挿入されました。(通常、8時59分59秒の後は、9時0分0秒となる。)
 つまり1秒の「うるう秒」が挿入されたのです。
  うるう秒の挿入は、2012年以来3年ぶりです。

  これは時刻の基準となる世界時と、正確な時刻を刻む原子時計との差が0.9秒を超えないように調整するものです。
  私たちの日常は、太陽に対する自転を1日とする世界時が基準となります。一方、セシウム133原子の振動を基準とした原子時計は
あくまで正確な時刻を刻みます。これに対し地球の自転スピードは様々な要因により変化します。

  その大きなものが海の潮汐です。海の水はおもに月の引力により満ち干を繰り返します。月の出は毎日およそ50分ずつ遅くなります。
そうすると海の潮汐も毎日50分遅くなります。いわば24時間50分で回転している水球の中を、地球が24時間で回っているような状態で、
地球の自転はわずかずつ遅くなります。
 こうして遅れてゆく地球の自転時刻を、原子時計と合わせるため(差が0.9秒を超えないよう)うるう秒が挿入されたのです。

 なぜ9時前にうるう秒が入るのでしょう?これはうるう秒を世界時0時の直前に入れたためで、日本時間は世界時より9時間進んでいるからです。





 ★(2)韮山反射炉     
       The Reverberator at Nirayama
                   2015年6月16日
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・韮山反射炉


 月光天文台の地元、函南町(かんなみちょう)の南は伊豆の国市(いずのくにし)です。そこは平成の大合併で、韮山(にらやま)町、伊豆長岡(いずながおか)町、大仁(おおひと)町が集まってできた市です。
 函南町に隣接する韮山にあるのが、代官江川太郎左衛門(えがわたろうざえもん)が作ったとされる「反射炉」です。反射炉とは、製鉄などのため、燃焼室の熱を壁や天井で反射させ、原料を高温にする方式の溶鉱炉です。
 
 鎖国政策の江戸時代に、イギリスと中国が争ったアヘン戦争などの伝聞を聞き、日本の守りに危機感を持ったのが、一地方代官であった韮山の江川太郎左衛門(英龍・ひでたつ、坦庵・たんなん)でした。
 英龍は日本の海岸の守りについて江戸幕府に建議したのですが、すぐには聞き入れられません。その間にも、西洋の軍事や携行食のパンなどを研究し、日本のパン祖ともいわれます。

 ようやく幕府から、江戸の守りのため、大砲を作るための反射炉を建造するよう命じられたのは、ペリー来航の後だったのです。(その大砲を設置するために江戸湾に造成されたのが、お台場です。)初めての建議から10年余りが過ぎていました。太郎左衛門は幾多の無理がたたって、反射炉の完成を見ずに亡くなりました。

 しかし伊豆の一地方に、このような先見の明のある人物がいて、国のために奔走したということ、誇りにしてもいいのではないでしょうか。

 今年の5月、韮山反射炉が明治の近代化産業遺産の一つとして、国連のユネスコに登録申請されました。改めてその経緯を調べてみると、国の守りについて決して遠い昔のことと言い切れないものがあります。世界の動きを冷静に見る必要がありそうです。

                                      〔月光天文台〕
 

〔追記・7月7日〕
 世界遺産への登録申請は、7月5日に承認されました。
 
 


(1)月光天文台、現在地でオープン40周年!
       40 Years from start Gekkou Observatry at Kannami
                                 2015年3月22日

 月光天文台は昭和32年(1957)9月、天文の普及を目指した公開天文台として、沼津の香貫山山頂に建設されました。翌月の10月4日、ソ連が世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げ、宇宙時代の幕が開きました。

 やがて沼津市の市街地が発展するにつれ、星を見る環境が悪化したため、現在地に移転しました。そして現在の函南の地で再オープンしたのが、昭和50年(1975)3月22日(土)です。

 お陰様で今年、再オープン40周年を迎えました。厚く御礼申し上げます。

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・月光天文台の外観

   再開当時の月光天文台には口径16cmの屈折望遠鏡が据えられ、太陽の黒点観測が再開されました。現在、公開されている望遠鏡は口径20cmにグレードアップされ、来台者は、晴れていれば黒点の観測ができます。
 また再オープンの年の秋から、天文の普及を図る「太陽・月・星のこよみ」の作製が始まりました。

 やがてプラネタリウム館を併設(1976)し、また地学資料館が作られ(1983)、公開天文台として天文・地学の研究・普及体制が整えられました。

 さらに第2観測所として50cm反射望遠鏡が導入され(1986)、小惑星の観測がスタートしました。
 その結果、現在までに176個の新小惑星が発見され、そのうち14個の小惑星に名前がつけられています(2015年3月現在)。

 今後とも天文・地学の観測・研究・普及に尽力させていただきたいと存じます。
 よろしくお願い申し上げます。

                              ★月光天文台:命名小惑星一覧
         
                                                                 


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