第7回 世界のこよみ展
第7回 月光天文台
世界のこよみ展
7TH WORLD CALENDAR FAIR IN GEKKOU

中国の切り絵の暦
カレンダーで見る世界の文化
○期間:2001年4月22日〜5月30日
○場所:月光天文台・本館
○主催:(財)国際文化交友会
☆協力:駐日各国大使館・財団法人オイスカ
第7回・世界のこよみ展のおもな見所

2001年の今回のこよみ展には、60の国と地域・国際機関から160点余のカレンダーが集まりました(そのうち106点を展示)。これらの暦の、おもな見所の一部をご紹介します。
○エチオピアの暦
エチオピアでは我々の暦で2000年9月11日に、エチオピア暦1993年が始まりました。その独自の太陽暦は、ひと月が毎月30日で、年末に5日もしくは6日の第13番目の月があります。
エチオピアは、エジプトを流れ地中海のそそぐナイル川の上流域で、エチオピア暦はエジプトで古代に行われていた太陽暦の伝統を残したものといわれます。
エチオピア航空の暦
拡大
○薄い緑色の部分が5日間の第13月
○中国の切り絵の暦
中華人民共和国科学技術部の暦で、薄い色紙を切りぬいた繊細なものです。このこよみ展以外では見たことがない、珍しい一品です。
切り絵

○太陰太陽暦
中国・韓国そしてベトナムの暦には月の満ち欠けをもとにした「太陰太陽暦」が併記されています。これらの国のお正月の行事は、この月の暦で行ないます。
○それぞれの新年
ラオス・ミャンマー・スリランカなどでは4月中旬に新年を迎えます。2001年、ラオスは4月14日が新年で、13日から4連休になります。ミャンマーも4月14日が新年で1636年を迎えます。13日から5連休です。
「ソンクラン」というタイの水掛祭も4月中旬の新年の行事です。スリランカも4月半ばにシンハラ・タミル新年となります。スリランカではシンハラ人、タミル人の融和をはかろうとしています。
スリランカは、日曜のほかに満月の日が休日になります。
○チベット暦
チベットの暦は月の最終日が朔となる月の暦です。29日もしくは30日のひと月になりますが、現地の数字では最終日が皆「30」日になっています。よくみるとある日にちが欠けていたり、同じ日が2日続いたりしています。厄を払うような意味があるのでしょうか。
○イスラム暦
シリア・サウジアラビア・オマーン・ブルネイといったイスラム教の国では、イスラム暦が併記されています。西暦2001年3月下旬に、イスラム暦1422年を迎えます。
イスラム暦は月の朔望の12回を1年としているため、季節の1年より11日ほどはやく暦が終わってしまいます。そのため我々の暦では、イスラム新年が毎年11日ほど早く始まることになります。イスラム暦による断食の月・巡礼の月なども同様です。
イスラム暦の週の休日は、「集会の日」とされる金曜日です。

シリアの暦
○イランの暦
同じイスラム教国でもイランだけは独自の太陽暦(ジャラリー暦)を使っています。それは春分の日に新年を迎え、1年の前半6ヶ月は毎月31日、後半6ヶ月は毎月30日というものです(平年は最後の月が29日)。
ジャラリー暦では、西暦2001年3月21日にジャラリー紀元1380年を迎えます。
ジャラリー暦は、1079年から実施され、イスラム教開祖モハメッドのヒジュラ(メディナ聖遷)の年、西暦622年を元年としています。
○エジプトの暦
エジプトで発祥した太陽暦が、古代の記録用具パピルスに描かれています。実はエジプト国営旅行公社が日本向けに作ったもので、パピルスは本物ですが、中身は日本の暦でした。
○イスラエルの暦
イスラエルでは、9月の新月頃に1年が始まるユダヤ暦を公式の暦としています。いろいろな行事は、西暦では毎年日付が違ってきます。カレンダーには、曜日がヘブライ語でも記されています。
週の休日はサバット(安息日)と呼ばれる土曜日です。

○新しい国々
1990年代にソ連から分離独立したベラルーシ(白ロシア)、ウクライナ、ウズベキスタン、またユーゴスラビアから別れたスロベニア、クロアチア、昔は一つの国だったチェコとスロバキアからも暦が届いています。
新しい国は、国としての一体感を保つため、共有できる自然・歴史・伝統・文化を大切にしていることがうかがえます。
○スイスの暦
スイスは「ヨーロッパの屋根」と呼ばれるアルプス山脈に位置する山岳国家です。北はドイツと、西はフランスと、南はイタリアとそれぞれ接し、この3つの言語がスイスの公用語になっています。また観光国でもあるため、出展されているスイスのカレンダーは月名や曜日を、英・独・仏・伊・西の5ケ国の言葉で書かれています。
○アイルランドの暦
初めて出品されたアイルランドの暦です。英語とともに併記されれいるのは、アイルランドの言語エール語とおもわれます。
○中南米の暦
ブラジルはポルトガル語、他の諸国はスペイン語で表記されます。これは両国の、かつての新大陸分割統治計画の名残でしょう。
多くの場合、月の朔・望・上弦・下弦が併記されます。ラテン系の人々は、月のようすに関心が強いのでしょうか。
○オーストラリアの暦
南半球にあるオーストラリアは、北半球とは季節が反対になります。自然の風景写真を掲載したカレンダーでは、ジュライ(7月)が雪景色になっています。
昨年開催されたシドニーオリンピックのキャラクターも、新世紀の暦に登場しています。
○ミクロネシア連邦の暦
太平洋西部のミクロネシア連邦の暦は簡素なものですが、それらの島々が経験した歴史が記載されています。1月1日にいきなり「1945年、ファイズ島、ヤップ島でアメリカ兵が日本兵を打ち破った」などと書かれています。1800年代にプロテスタントやカソリックの宣教師がやってきたことや、日本の天皇誕生日までもしっかりと記されています。
○更新の年
21世紀の初め、西暦2001年の最初の日は、奇しくも中国で始まった六十干支でも最初の「甲子(きのえね)」でした。また年の干支をみると2000年は庚辰(かのえたつ)、2001年は辛巳(かのとみ)です。「庚」は「更」に通じ、「辛」は「新」のことで「更新」すべき年回りになっているといわれます。
またキリスト教諸国の、今年4月13日のグッドフライデーに始まるイースター(復活祭)祝日の日付が、南アジアのラオス・ミャンマー・スリランカなどの諸国の年末・新年休日と重なっています。
日本の元号も平成13年で十二支が一巡し、初めにめぐり帰った年です。
巳年の蛇は、辰年に奮い立って鎌首を上げ、まさに陰から陽へ動こうとする姿とも、あるいは巳の字は古書に「包」とも書かれ、身ごもった胎児を両手で支えている姿ともいわれます。産みの苦しみに耐える年といえるかもしれません。
辛巳年の辛は「からい」との意味もありますが、それを堪えるのが辛抱で、辛気臭くならずに新しい「新」、伸びるの「伸」につなげたいものです。
◆出展された国々 総計63(58ヶ国、1地域、4国際組織)
○ヨーロッパ 19
イギリス、オランダ、アイルランド、ノルウェイ、フィンランド、ポルトガル、スペイン、フランス、ルクセンブルグ、ギリシア、イタリア、スイス、チェコ、スロバキア、ウクライナ、ベラルーシ、スロベニア、クロアチア、ブルガリア
○アフリカ 6
エジプト、エチオピア、ケニア、マダガスカル、アルジェリア、南アフリカ
○アジア 19 + 1地域
中国、韓国、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、ラオス、ミャンマー、(チベット)、ネパール、スリランカ、インド、ウズベキスタン、オマーン、イラン、イスラエル、シリア、ヨルダン、サウジアラビア、トルコ、日本
○オセアニア(大洋州) 5
オーストラリア、ニュージランド、ミクロネシア連邦、パプアニューギニア、フィジー
○南北アメリカ 9
カナダ、ニカラグア、ホンジュラス、ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチン、ボリビア、パラグアイ
○国際機関 4
国際農業開発基金、国連環境計画、ユネスコ、オイスカ・スリランカオフィス
※第6回世界のこよみ展
