第10回 世界のこよみ展リポート

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第10回                             月光天文台

世界のこよみ展

10th World Calendar Fair in Gekkou
            イエメン-部分
                  
               金曜が休日のイエメンのカレンダー(部分)
  
   
世界のカレンダー大集合
ポスター
   
    ○世界53の国・地域・国際機関のカレンダー120点余りを、一堂に展示          
○期間:2004年4月18日(日)〜5月31日(月) ▲木曜休館
○会場:月光天文台・本館
☆主催:(財)国際文化交友会
☆協力:駐日各国大使館 ・財団法人オイスカ ほか
     
     ◎ご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます

 ☆第10回・世界のこよみ展の概要

 ○「第10回世界のこよみ展」では、53の国と地域・国際機関より120部あまりのカレンダーが集められました。
   世界の暦法、またそれらを書き表す文字にも、それぞれの国の伝統と文化がうかがえます。異なる文化を否定するのではなく、お互いに理解を深め尊重することが21世紀の平和の基礎となるのではないでしょうか。
    
  日本は今年、初めてカレンダーを公式に採用して、ちょうど1400年を迎えます。飛鳥時代の推古天皇のころ(西暦604年)、朝鮮を経由してもたらされた中国の「元嘉暦」が、日本の最初の暦といわれます。この暦の記された木簡が昨年、奈良の石神遺跡から発見されました。その後、1000年余り中国の暦を使っていました。

   歴史から見た2004年

  江戸時代になると暦学を学ぶ日本人が現われ、江戸・貞享年間、ついに京都を基準とした日本製のカレンダー(太陰太陽暦)を採用することが決定しました。320年前のことで、この暦を「貞享暦」といいます。以来、日本人によって3度の改暦が行われ、160年前には最後の太陰太陽暦である「天保暦」が施行されました。私たちが今「旧暦」と呼んでいるのはこの天保暦の流れをくむものです。

  150年前、日本はペリー来航により鎖国を解いて開国し、変動期を経て、世界の趨勢を敏感に感じ取った西日本の勢力によって新たな政治体制が整えられました。明治6年には、近代国家としてついに西洋の太陽暦を採用しています。約130年前のことです。

  近代国家になったとはいえ、国内・国外ともに日本の歩みは平坦なものではありませんでした。今年は日清戦争から110年、日露戦争開戦より100年です。興味のある方は日本の近代史などをご覧下さい。

  今年は東京オリンピックより40周年となりますが、近代オリンピックは原点に帰って、アテネで開催されます。そのギリシアのカレンダーには、月の名前を日本語を含む16ヶ国の言葉で表記しています。オリンピックが、世界の人々を結ぶ「平和の祭典」としての機能を大いに発揮してほしいものです。

 ギリシアのカレンダー ギリシアのカレンダー

  
 

★世界の基本的カレンダー

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  ○グレゴリオ暦

・世界のほとんどの国で使われている太陽暦。日本では西暦とも呼ばれ、西暦の年数はキリスト生誕(と思われる)年から数えたもの。日本では明治6年(1873)より採用。

  ○イスラム暦

・月の満ち欠けを基準とした純粋太陰暦。イスラム教の行事はイスラム(ヒジュラ)暦による。イスラム暦では、「ムハッラム」と呼ばれる新年の始まりが、毎年約10日ほど早くなる。ラマダン(断食月)や、聖地メッカを訪れる巡礼月なども同じように早くなってゆく。
 イスラム暦は、開祖マホメットがメジナ逃れた(聖遷=ヒジュラ)年である622年から年を数える。西暦2004年2月21日ころに、ヒジュラ紀元1425年の新年を迎える。

  ○中国の陰暦

・アジアの大国、中国では公式には太陽暦が使われる。しかし人々は、昔ながらの太陰太陽暦による伝統的新年・春節を盛大にお祝いする。中国の陰暦は農暦とも呼ばれ、中国・韓国・ベトナムのカレンダーにはほとんど併記される。またシンガポールをはじめタイ・マレーシア・インドネシアなどのアジア諸国でも、華僑の人々にとって陰暦はかかせない。2004年の春節は1月22日。

☆世界のこよみ展で見られる地域の傾向とユニークなカレンダー

    今回の世界のこよみ展に出品されたカレンダーから、地域別にいくつか紹介します。

  ○ヨーロッパのカレンダー

    ・ふつう週末が日曜日
    ・多言語で書かれることがある

・イギリス:フェレット(イタチの仲間)をテーマとしている。日曜始まりで週休2日。月名・曜日が5ヶ国語で書いてある。イギリス、アメリカ、カナダの祝日が記載されている。

・ノルウェー:美しい風景やノルウェーの生活をテーマとした週めくりのカレンダー。曜日が5ヶ国語。

・スウェーデン:ストックホルムを題材とした暦は、月名と曜日が6ヶ国語で表記され、一つは日本語。また毎日2人または1人の人名が書かれている。

スウェーデンの暦  スウェーデンのカレンダー


スウェーデンの暦-拡大
・セルビア・モンテネグロの漫画カレンダー

    セルビア・モンテネグロの暦 ・セルビア・モンテネグロのカレンダー

・スペインとイタリア:キリスト教の諸聖人がほぼ毎日掲載されている。
・イタリア:古代と現代のスポーツ競技がテーマ。
・ギリシア:毎月の月名が16ヶ国語で掲載されている。
・ドイツ:ドイツ外務省の発行したカレンダーの日本語版。「5月1日よりEUが25ヶ国、約5億人になる」とアピール。ヨーロッパは統合に向かって歩みを進めている。

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 ○ロシアとベラルーシ(白ロシア)のカレンダー

   ロシア文字で表記
   ベラルーシは週休2日

・ロシア:初の女性宇宙飛行士誕生40周年
      世界で初めて人工衛星を打ち上げ、ソビエト連邦が科学技術の優位を世界にアピールしたのは1957年。わずか4年後の1961年には、ガガーリンが史上初の有人宇宙飛行に成功。さらに2年後の1963年、初の女性宇宙飛行士テレシコワが誕生する。テレシコワはやがて政治家としても成功し、女性初の宇宙飛行40周年を記念してこのカレンダーが発行された。
      このカレンダーはまた、2003年と2004年の2年間使える珍しいもの。

    ロシアの暦  ロシアのカレンダー

    ロシアの暦-拡大      

・ベラルーシ:モスクなど
        1917年のロシア革命から始まって建国されたソビエト連邦は、約70年後の1991年に崩壊し、ロシアと周辺の国々(CIS諸国)が分離独立した。ベラルーシもその一つ。新たなスタートを切った国々のカレンダーは、国の統合の象徴となる自然や伝統・文化がテーマ。

 ○アフリカのカレンダー

   旧宗主国の言語で表記される
   アフリカ北部はイスラム教の影響が濃い

・エジプト:エジプト航空のカレンダー。左半分は週末が日曜日。右半分はアラビア語で曜日が書かれ、日付も右から左へ配置され、週末は金曜日になっている。

・エチオピア:独自の祭日がある。1月7日は「エチオピア・クリスマス」、またエチオピア暦の新年は、9月11日である。

・ケニア:アフリカらしい観光地を紹介している。

・ジンバブエ:国立種子会社のカレンダー。穀物、家畜の健康、野菜、知識と機械についての写真があり、播種の方法などが表示されている。

・ガーナ:平和的選挙のための「寛容」をアピール。

 ○中近東のカレンダー

   イスラム教の行事はイスラム暦に従う(重要な月の始まりは、実視によって決められる)
   アラビア語とペルシャ数字が使われる

・イラン:卓上カレンダー。イラン独自の春分から始まる太陽暦、普通のグレゴリオ太陽暦、イスラム暦の3つの日付が書かれている。どれも欠かせない。

・アラブ首長国連邦:木曜と金曜が休日となる週休2日制。卓上カレンダーの一面は普通のアラビア数字、もう一面はペルシャ数字で書かれている。アラビア語は文字は右から左へ読み、数字は左から右へ読む。

・シリア:観光省発行のカレンダーは、金曜と日曜が休日になっている。現地の実情は?

・イスラエル:独自のユダヤ暦を公式の暦として使っている。ヘブライ語でユダヤ暦が併記されている。また土曜が週の休日といわれるが、土曜・日曜の日付の色が変わっている。

・イエメン:世界のこよみ展には初めての出品。独特の風土が感じられる。

 ○アジアのカレンダー

    南アジアの国々は、4月なかばに伝統的新年を迎える
    中国・台湾や華僑を対象としたカレンダーは、漢数字で中国の陰暦が併記される

・カンボジア、ラオス、タイなどでは4月中ごろに3連休があり、タイでは水を掛け合う「ソンクラン」として有名。また西暦(キリスト生誕紀元)とともに、お釈迦さまの亡くなったとされる年から数える仏滅紀元が用いられる。2004年はタイ暦の2547年になる。

・タイ:タイ(シャム)文字で日付が書かれたものがある。

   タイのカレンダー  タイ文字のカレンダー


  タイの暦-拡大

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・中国:公式のカレンダーはグレゴリオ太陽暦であるが、人々は伝統的陰暦による新年「春節」を祝う。別の中国をテーマにしたカレンダーは、各月2004年と2005年の2年分の暦が掲載されている。

・チベット:新月の日が月末になる独自のカレンダーを持つ。

・スリランカ:満月の日が公休日となる。

・曜日の漢字表記は、韓国は日本と同じであるが、中国はまったくことなる。

 ○南北アメリカ・オセアニアのカレンダー

   豊かな自然と文化の融合

・アメリカ(1):駐日アメリカ大使館発行のカレンダーが初めて出品された。この暦の写真の撮影者は、現駐日大使ハワード・ベーカー氏。内容は日本の暦。

・アメリカ(2):イエローストーン国立公園など、アメリカの雄大な自然をテーマとしたカレンダー。日付のほかに毎日の通し番号が記されている。日本で月曜に祝日を移動したのはアメリカを真似たもの。

・カナダ:マニトバ旅行社のカレンダーは白熊をテーマとし、白熊のユーモラスな姿を楽しめる。なぜかハヌッカ(光の祭り)などユダヤ教の祭事が記載されている。

    カナダー1   カナダー2

・ブラジル:ブラジル銀行のカレンダーでは、ブラジル国旗でブラジルの祝日を、日章旗で日本の祝日を印している。

・チリ:自然風景のカレンダー。南半球では季節が逆になっていることに注意。

・フィジー:キリスト教のクリスマスやイースター関連の祝休日があり、イスラム教の開祖モハメッドの誕生日、英女王の誕生日も公休日となっている。

・ミクロネシア:ミクロネシア連邦を構成する各島の風景が毎月掲載されている。

◎ 暦が集められた国・地域・機関(2004)

アジア 15
 インド、カンボジア、スリランカ、タイ、チベット、ネパール、バキスタン、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、ラオス、韓国、台湾、中国、日本

ヨーロッパ 14
 イギリス、イタリア、ギリシア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア・モンテネグロ、ドイツ、ノルウェー、ベラルーシ、ルクセンブルク、ロシア

アフリカ  6
 エジプト、エチオピア、ガーナ、ガボン、ケニヤ、ジンバブエ

中近東 7
 アラブ首長国連邦、イエメン、イスラエル、イラン、サウジアラビア、シリア、ヨルダン

北・中・南アメリカ  7
 アメリカ、カナダ、ウルグアイ、ジャマイカ、チリ、ブラジル、ペルー

オセアニア 3
 パプアニューギニア、フィジー、ミクロネシア

国連・国際機関など 1
  グリーンピース  

     

  

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