○期間:2003年4月20日〜5月31日
ザンビアのカレンダー
ポスター2
カレンダーで見る世界の文化 ○世界50の国・地域・国際機関のカレンダー140点余りを、一堂に展示
○場所:月光天文台・本館
☆協力:駐日各国大使館 ・財団法人オイスカ
○月光天文台で開催される「世界のこよみ展」は、今年9回目を迎えました。
現在50の国・地域・国際機関から140部を越えるカレンダーが集まっています。暦の収集には、駐日各国大使館および(財)オイスカのご協力をいただいています。
カレンダーは各地の生活の基準であり、人間生活の必要により天文から導かれたものです。世界の多くの国はグレゴリオ太陽暦を公的カレンダーとしていますが、人々の生活は伝統的・宗教的暦にしたがっている場合もすくなくありません。
今日はバイ・カレンダーあるいはマルチ・カレンダーの時代ともいわれ、いくつかのカレンダーが併記され、使い分けられています。情報が世界を駆け巡る現代ですが、カレンダーが生活の写しであれば、カレンダーを通して生活や文化を推し量ることもできるでしょう。カレンダーは文化を覗く望遠鏡ともなるわけです。
世界のカレンダーには、暦法や紀元の異なるものもあり、あるいはそれぞれの地域のご自慢の風物が掲載されています。また編集者やデザイナーが趣向を凝らして創り上げています。カレンダーを手がかりに世界の文化のさまざまな香りをお楽しみください。
・私たちが普通使っているカレンダーは、グレゴリオ暦と呼ばれる太陽暦です。また西暦の年数は、キリスト生誕紀元ともいわれ、キリスト様が生まれた(と思われる)年から数えたものです。
・イスラム暦
月の満ち欠けを基準とした太陰暦です。太陰暦には1年の季節の周期を考慮した太陰太陽暦と、季節の循環を考えない純粋な太陰暦があります。イスラム暦は後者で、毎年私たちのカレンダーで10日ほど新年の始まりが早くなります。ラマダンと呼ばれる断食月や聖地メッカを訪れる巡礼月など、イスラム教の行事はこの暦にしたがいます。
イスラム暦はヒジュラ暦とも呼ばれ、2003年3月4日にはヒジュラ紀元1424年の新年を迎えました。
緑色はイスラム教にとって聖なる色で、祝日や休日が緑色でかかれることもあります。しかし世界の休日の色のほとんどは、やはり赤です。
イスラム暦の週の休日は金曜日で、週休2日制のアラブ首長国連邦では木曜・金曜が週末の休日になっています。
エジプト航空の暦
アラブ首長国連邦の暦
・中国の太陰暦
中国の太陰太陽暦は、日本も飛鳥時代から使用していたなじみ深い陰暦です。今年2003年2月には、奈良の遺跡から持統天皇3年(西暦689年)の日本最古の暦が出土したと発表されました。これは中国の「元嘉暦」で、木の板にかかれたもの(木簡)でした。
中国の陰暦は農暦とも呼ばれ、中国・韓国・ベトナムのカレンダーにはほとんど併記されます。またシンガポールをはじめマレーシア・インドネシアなどのアジア諸国でも中国出身の人々やその子孫、いわゆる華僑の人々は陰暦のお正月を祝うため、農暦が併記されたカレンダーを用います。
2003年の農暦の新年(春節・日本の旧正月)は2月1日でした。
・東南アジアの暦
タイやラオスでは西暦の紀元とともにお釈迦様が亡くなった(と思われる)ときから年を数える仏滅紀元が併記されます。また仏教国のスリランカでは満月の日が仏教の祭日で休日となります。
南アジアの国々の多くは、4月なかばに伝統的新年の行事が行われます。
タイの暦
スリランカの暦
・インドの暦
インドのヒンズー暦は月の満ち欠けにしたがう太陰太陽暦です。インドは多様性の国で、暦も文字もさまざまなものがあります。ヒンズー暦では月の朔望の一巡りを2つに分け、月が満ちて満月になるまでを「白分」、満月から新月までを「黒分」とします。それぞれ14日か15日で、また1から数えます。合せて29日の場合でも月末は必ず30日になるそうです(日をとばすわけです)。また月の始まりが満月からという暦もあります。
あまりにいろいろな暦があるため、インド政府は1957年に「インド国定暦」という太陽暦を作りましたが、暦の種類を一つ増やしただけ、ともいわれます。
出品された南インドのカレンダーには、一つの枠に4つの日付が書かれています。
・バリ暦
インドネシアのバリ島にはバリ暦と呼ばれるカレンダーがあります。これにはグレゴリオ太陽暦とともにヒンズー暦、中国の農暦、イスラム暦、ジャワ暦、そしてバリ伝統のバリ・サカ暦、さらに210日でめぐるウク暦などが渾然と書き込まれています。
変わった暦だなーと人事のように見ていると、日本由来の記述を見て驚くことになります。興味のある方は、下の画像をクリック。
ほとんどの暦が書かれているバリ暦は、バリの寛容の精神の現れだそうで、バリの人々に影響を及ぼした文化が、そのまま暦の中に受け入れられ継承されているのです。
・ヨーロッパのカレンダー
ヨーロッパのカレンダーは、広く利用されるには、多くの言語で表記することが必要になります。たとえばノルウェーのカレンダーには母国語のほかに英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語で曜日が書かれています。
ヨーロッパは一つにまとまろうとしていますが、文化や言葉の壁をどう乗り越えていくか、注目されています。
ノルウェーの暦
・中南米のカレンダー
中南米ではブラジルだけがポルトガル語を用い、他の諸国はスペイン語が使われます。簡単に見分けるため曜日の最初の1文字のみを日曜日から並べると、DSTQQSSがポルトガル語で、DLMMJVSがスペイン語です。ポルトガル語の月曜から金曜までは2からの数詞で表します。
カレンダーの絵柄は、キリスト教の信仰的題材が多いようです。
また月の新月・上弦・満月・下弦が書き込まれていますが、月の満ち欠けのようすは北半球と反対になります。
アジア 16
インド、インドネシア、ウズベキスタン、スリランカ、タイ、チベット、ネパール、パプアニューギニア、バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー、ラオス、中華民国、大韓民国、中華人民共和国、日本
ヨーロッパ 13
イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシア、スペイン、スロベニア、チェコ、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、ベラルーシ、ポルトガル、ルクセンブルク
アフリカ 9
ウガンダ、エジプト、ガーナ、ガボン、ケニヤ、コンゴ、ザンビア、スーダン、マラウィ
中近東 4
アラブ首長国連邦、オマーン、サウジアラビア、シリア
北・中・南アメリカ 7
カナダ、ニカラグア、ジャマイカ、キューバ、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ
国連・国際機関など 3
アジア開発銀行、国際農業開発基金(IFAD)、国連食料農業機関(FAO)
○ 暦についての参考資料は こちら
・第6回世界のこよみ展
・第7回世界のこよみ展
・第8回世界のこよみ展