「奇しびなる生命の連鎖」

「地球道徳」の確立に向けて

− 宇宙から人間へ − 

  ○あとがき

 有史以来の、しかも今世紀最大規模の国際会議といわれたリオでの「地球サミット」開催から約2年が経過しました。ここでその成果についてあれこれ論じるつもりはありませんが、人類の生存を脅かす地球的規模のさまざまな環境問題を考えたとき、開催それ自体は時機を得た画期的なものであったと思っています。

それを契機に世界の多くの人びとが、自分たちの置かれている地球環境の状況を知るところとなり、未来への不安とともに「如何にあるべきか」を問い、あるいは行動を開始した人も少なくなかったものと思います。

 しかし現在、人びとの意識、行動はどうなっているのでしょうか。残念ながら地球環境がますます悪化するなか、「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」ではありませんが、全体的には取り組みへの停滞感、あるいは後退感さえ覚える今日の日です。

こうした状況を人一倍に憂うが故、オイスカ活動の背景ともなっている考え方の基本について私なりに著すことで少しでも世のお役に立てればと願い、今回出版の運びとなった次第です。

 ちょうど昨年6月に「地球サミット」一周年を記念して創設された『地球サミット賞』のNGO部門で、世界に数あるNGOの中から最初にオイスカが受賞するという思ってもみない栄誉に輝きました。

     地球サミット賞
     ○地球サミット賞を受ける著者(左より2人目:オイスカ静岡より)
      1993年6月30日、国連本部にて

 ニューヨークの国連本部で行なわれた授賞式に私は代表して出席するため訪米し、このとき国連関係者や欧米の各界の代表など多くの方々と親しく懇談するなかで理念の一端を披瀝する機会に恵まれました。そうした席上、「その考え方をどしどし世界に発信すべきだ」との声を多く寄せられたのも、本書を著すきっかけのひとつになりました。

 本来、文章を書くことが不得手であることから二の足を踏んでいたのですが、周りの薦めと同時に使命感も手伝って拙いながらしたためました。活字でもって意のあるところを表現するということの難しさをあらためて感じさせられましたが、考え方の一端をお汲み取りいただければ幸いです。

 なお、本著は当初から海外向けに発信することを念頭に置きながら書き進めたことを、ご了解いただきたいと思います。

  平成6年5月

                  中野良子

 

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