〇地震は予測できる!!

  「地震予報に挑む」(串田嘉男著・PHP新書)より

 地震の直前予測ができる可能性が高まった。
 この本は、山梨県の八ヶ岳南麓天文台を主催している串田嘉男氏が、地震予知に取り組む経緯と2000年7月までのあゆみを記したものである。
 串田氏は、93年の8月はじめ、ペルセウス座流星群の電波観測のテストをはじめた。流星の電波観測というのは、FMラジオ(VHF電波)を用い遠くの普段聞こえないようなFM局の周波数に合わせてモニターすることである。そのとき100キロほど上空で流星が流れると、その流星によって電波が反射され一瞬放送が聞こえるようになる。この方法により流星群のピークなどの出現状況を、日中でも曇天でも観測することができる。
 氏の観測機器は、センターチューニングメーター付のFM受信機とそれを記録するペンレコーダーだった。そのときペンレコーダーに異常な記録が現われ、その後地震があったとのニュースに接し、電波観測と地震との関連性を感じたということである。

 この地震予報の原理はつぎのように考えられている。地中の岩石が応力を受けると電気が生じる。地球は電気を伝える導体であり、一方地球の上空にもプラズマ状態に電離した電離層という導体がある。これらは空気という絶縁体をはさんだ巨大なコンデンサーとして機能し、地上に起きた電位的変化を静電誘導により電離層に投影する(らしい)。そのため電離層の変化をモニターすることによって、地上の電位の変異、すなわち震源地の情報が得られるというのである。
 ただ、なぜ電離層の変化のピークが地震に先行して起きるのかは不明である。また海底に震源を持つ場合、その現われ方は不鮮明になる。
 こうした理論はともかく、ペンレコーダーに記録される波の形によって地震の規模、地域、日時を読み取る串田氏の予測はかなりの的中率を示している。氏は現在もなお「公開実験」を通じて経験則の蓄積に努めている。

 氏の最終的な目標は、ちょうど台風という自然現象を予報して防災に役立てているように、地震の予報を出すことによって的確な対処を行い、その被害を軽減することにある。ただ地震の予報の持つ影響の大きさには計りがたいものがある。パニック、予報が外れた場合の問題などである。こうした社会的、人的準備がまだできていない以上、この予測法の信頼性を向上させることに全力を傾けている段階である。

    

 

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