
☆超伝導
超伝導というのは極低温において、物質の電気抵抗がゼロになる現象です。この電気抵抗がゼロになるという現象は、1911年オランダのオンネス教授が偶然、水銀で発見しました。当時、温度をどんどん下げていくと電気抵抗はどうなるかということが論争になっていました。オンネスが水銀を使って実験したところ、絶対零度(マイナス273度)より4度高いところで、電気抵抗が突然消えてしまったのです。この発見により、オンネスはノーベル賞を受けています。
格子振動
なぜ抵抗がゼロになるか。電気の流れつまり電流は、電子の運動の結果である。マイナスの電荷を持った電子が、プラスの電荷を持つ原子の間を動くと、原子は微妙に振動すると考えられる。この仮想的振動を「格子振動」と呼ぶ。原子の格子振動により、電子の運動にブレーキがかかるのが「電気抵抗」となる。金属では温度が低くなると電気抵抗も小さくなるが、これは格子振動が小さくなることに対応している、と考えられる。
ところが格子振動によって失われた電子のエネルギーが、もう一つの別の電子を加速するとしたらどうだろう。2つの電子のエネルギー損失は、差し引きゼロとなる。これは電気抵抗がゼロになることを意味する。このような電子のペアを考えることで、超伝導における電気抵抗がなくなる現象が説明されている。
この理論は、アメリカのバーデン、クーパー、シュリーファーによって提唱されたため「BCS理論」と呼ばれている。電子のペアはクーパー対とも呼ばれ、普通の電子とは異なる性質を持つ。
マイスナー効果
現在、超伝導というには電気抵抗ゼロと、次の「マイスナー効果」を確認しなければいけない。 マイスナー効果は1933年、マイスナーとその弟子オクセンフェルドによって発見されたもので、超伝導状態になると磁場がその中に進入できなくなる現象である。そのため超伝導体を強力な磁石の上に置くと、反発力のため浮きあがってしまう。これは超伝導のデモンストレーションでよく行われている。
さらに超伝導体の上に磁石を埋め込んだマンホールのふたくらいの円盤を浮上させ、人間がその上に乗っても浮いたまま、という実験を見せることもある。こちらは「ピン止め効果」と呼ばれ、超伝導によって磁力線が固定されてしまうものである。フィッシング効果といって、超伝導体を糸もなく吊り挙げる現象もピン止め効果である。
質量を与えるメカニズム
本来無限のかなたまで及ぶはずの磁気力が、超伝導体の中に入れないのは、磁力を伝える光子が超伝導体の中では「質量を持ったため、ごく短い距離しか伝わらなくなった」と解釈される。超伝導という現象には、そのような「質量の無い物に、質量を与えるメカニズム」がかかわっている(らしい)のである。
