ミニミニ解説(2)

金星と水星

                                       2001年2月
                    ―― 2つの内惑星 ――
 
 金星と水星

 金星と水星は私たちの地球よりも太陽に近いところをめぐる、いわゆる「内惑星」です。太陽に近く、当然かなりの高温になります。また地球から見ると水星は太陽から28度以上離れることはなく、同様に金星は48度以上はなれることはありません。金星と水星の共通点は以上のほかに岩石の星であること、衛星を持たないことなどでしょう。

 金星と水星の地球からの見え方はずいぶん違います。いずれも太陽からある程度以上離れないものの、金星は「宵の明星」・「明けの明星」と呼ばれ、天空では太陽、月についで明るく輝きます。最高マイナス5等級の明るさで、距離的に地球にもっとも接近する惑星でもあります。
 それにたいし水星は太陽との離角が小さく、朝夕の薄明時にしか見えないため、よほど注意しないと気付かないことが多いでしょう。地動説を唱えたコペルニクスも水星を見たことがないというのは有名です。

水星の1日は2年
 地球の軌道半径のおよそ0.4倍の軌道を持つ水星は大気がほとんどなく、太陽にむいている面は430度、反対に夜の側はマイナス180度にもなります。昼夜の温度差が600度という驚異の世界です。わずかな大気のおもな成分はナトリウムとされます。
 水星は動きが速く、西洋では伝令の神マーキュリーとみなされ、約88日で太陽を一周します。水星の自転周期(58.6日)は公転周期88日のちょうど3分の2です。その結果どのようなことが起きるかというと、水星が3回自転したとき(2公転)、やっと太陽に対して同じ位置関係になります。つまり水星での1日は、水星の2年(地球時間176日)という、私たちにはちょっと頭の痛いような事態になるわけです。
 これまで水星を探査した惑星探査機は、後にも先にも1973年に打ち上げられたアメリカのマリナー10号ただ一機のみです。その表面は月面のように無数のクレーターで覆われていました。


満ち欠けする金星
 一方、地球の0.7倍の軌道半径を持つ金星の大きさは、地球より一回り小さいほどで地球の「双子惑星」ともいわれます。金星は二酸化炭素の厚い大気に包まれ、美の女神ビーナスとして明るく輝くわりにその素顔を隠していました。望遠鏡などで見ると、金星が月のように満ち欠けしているのがわかります。太陽の向こうにあるときは丸いのですが、地球と太陽の間に入ってくると大きく欠けて見えるようになります。

 金星は厚さ10km以上の農硫酸の雲に覆われています。さまざまな探査により地表での気圧は90気圧、温度は500度近くになることがわかりました。ちょっと人間は近づくこともできない灼熱の星です。
 さらに金星は約225日で公転するものの、自転は約243日でゆっくりと逆転していることもわかってきました。その結果金星で太陽が見えるとすると、太陽は西から東へのろのろと動き、約60日の昼間と60日の夜がくりかえされることになります。
 
       

  金星

  上図:2001年2月17日の金星

    

 

        top   back