ミニミニ解説(17)

 金星の太陽面通過

                                                   2004年6月 

・2004年6月8日 この日の午後、金星が太陽の手前を通過し、「金星の太陽面通過(日面経過)」が起きます。金星と地球の会合周期は約584日(1年7ヶ月余り)で、およそこの周期で金星は内合となります。普通の内合では、金星は太陽の上か下を通過しますが、今回は太陽のまん前を通ります。

東京: 第1触  第2触  食の最大 金星没  第3蝕  第4触
    14:11 14:30  17:14  18:54 19:59  20:19

  なんと6時間8分に及ぶ長時間の現象です。第1触というのは金星が太陽の円周に外接した時、第2触は太陽に入り込んで内接した時を指します。つまり金星が太陽の外円を通過するだけで20分ほどもかかります。
 今回、金星は太陽の南部を東から西南の方向に横切り、太陽から出ないうちに日本では日没(=金星没)となります。
 次回は8年後の2012年6月6日で、午前7時過ぎから13時過ぎまでの現象で、日本で全過程が見られます。

このときは太陽の北部を通過します。

 金星の軌道と地球の軌道は3°24’傾いています。そのため2つの軌道が交わる昇交点か降交点の時に内合になると金星の太陽面通過となります。太陽が金星の昇降点を通過するのは毎年12月9日、降交点を通るのは6月8日なので、太陽面通過はそのころ以外には起きません。

 内合のころの金星の視半径は30秒角ほどで、太陽の視半径約15分角の30分の1ほどの大きさで見えます(今回は32.8分の1)。つまり太陽の直径の30分の1ほどの丸い真っ黒い黒点が、太陽面を6時間もかかって横切るという現象となります。

 金星が太陽の縁に接触する時(第2触直後または第3触直前)、ブラックドロップといって、両者の縁が数秒間くっついたようになる現象が見られるという。最初は金星の大気のためといわれたが、大気のない水星でも似たような現象が起き、原因はよくわかっていない。観測には減光に充分注意しましょう。 

 金星の太陽面通過は、243年間に4回だけ起きる珍しい現象です。前回は122年前で、その時は日本が夜だったため、日本で見られるのは明治7年(1874年)12月以来、130年ぶりとなります。明治7年の時は、アメリカ、フランス、メキシコから日本に遠征観測チームが訪れたとのことです。
 ちなみに水星の太陽面通過は、100年間に13回から14回起きる。

     17世紀から22世紀までの金星の日面経過

西暦年 月.日  備考
1631 12.7 昇交点通過後
1639 12.4 昇交点通過後
1761 6.6 降交点通過後
1769 6.3 降交点通過前
1874 12.9 昇交点通過後・明治7年
1882 12.6 昇交点通過前
2004 6.8 降交点通過後・平成16年
2012 6.6 降交点通過前
2117 12.11 昇交点通過後
2125 12.8 昇交点のころ

金星のデータ

○位置・地球軌道の約0.7倍内側の軌道
  軌道半径:0.72AU  (地球の軌道半径=1)
  軌道離心率:0.007  (地球 0.017)
  公転周期:0.615年  (約7ヶ月半)
  会合周期:約584日 (約1年7ヶ月余り)

○大きさ・地球よりひとまわり小さい
  赤道半径:6052km  (地球の0.95倍)
  質   量:地球の0.815 (約10分の1)
  体   積:地球の0.86
  平均密度:5.20g/cm3 (地球 5.52)

○重力・地球の約9割
  赤道重力:0.907      (地球 1)
  脱出速度:10.4km/S  (地球 11.2)

○環境・高温・高圧の灼熱の世界
  自転周期:−243日(逆転)
  表面温度:約480℃
  受熱量  :地球の1.9倍
  地表気圧:約90気圧 (地球の水面下90m)
  大気成分:二酸化炭素96% 、窒素3.4%

○衛  星・なし
  

 

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