○子供のための天文相談室
解答者・トラ
(月光天文台の近くに住んでいる宇宙猫)解答者・ハヤト
(暑さに弱いが穴掘り名人、いや穴掘り名犬)
トラ(以下 T):うーんよく寝た。1年以上ご無沙汰だニャー。
ハヤト(以下 H):寝すぎ!いくら猫が「寝る子」だって寝すぎだワン。このコーナーは火星の接近みたいに2年に1回しかやんないのかワン。
T:まあまあ、そう散歩をせがむ時みたいに興奮しないで。質問がきてるよ。
質問・光のスペクトルって何ですか?
T:「光のスペクトル」ですよ。ちょうど今から説明しようと思ってたんだニャー。
H:都合がよすぎるよワン。
T:それから「光」は「ヒカリ」と読んでね。宇多田ヒカルの本名宇多田光じゃないからね。
H:誰も「ヒカルのスペクトル」なんて読まないよー。ワン!
T:問題はスペクトルだな。
H:スペクトルねー。よく聞くような、余りおなじみでないような・・・。
T:どっちなんだよ。
T:電子広辞苑で調べてみると、スペクトルというのは「光を分光器にかけて得られるもの」とあるニャン。
ちなみにスペクトルというのはフランス語のspectreで、英語ではspectrum(スペクトラム)だな。
H:日本語では?
T:適当な訳語はないんじゃないかな。「成分の配列」みたいなものかニャ。
H:分光器というのは?
T:光を分ける光学装置で、プリズムとか回折格子(カイセツコウシ)とかだな。
H:プリズム?回折格子?ワンワン。わかんない言葉が次々出てくるワン。
T:プリズムは角柱という意味で、ガラスなどでできた光を分ける機器だよ。(回折格子については、興味のある人は自分で調べてみてね)。
H:角柱?機器?ボクハダレ?
T:エエイ!これを見よ!
三角プリズム
H:ガラスの3角柱だな。なーんだ、これが分光器。
T:なんだはないでしょう。これで分光してみるニャー。

○壁の陰の部分にスペクトルが映っている:特別出演・W氏
○太陽の光が三角プリズムを通ると分光される
○太陽光のスペクトル
H:虹だ!ずいぶん簡単な実験だね。
T:太陽の光は本来無色の白色光線なんだニャー。それをプリズムで分光するとこのように虹の七色が現れるんだ。これがいわゆる「光のスペクトル」だな。白い光の中に、こうしたさまざまな色の光が含まれているんだ。
H:雨上がりなどに見られる虹は?
T:それはプリズムの役割を、たくさんの雨の粒がやってるんだな。
H:ワンワン。
T:こうした色の違いは、光を波として見た場合の波長の違いによるものなんだ。
波長の長いものは赤く、短くなるにつれ橙、黄、黄緑、緑、青、紫と変化してくる。
H:ワン
T:実はこの七色の他に、人間の眼には感じない、見えない光が来ている。では赤い光の外側の、眼に見えない光をなんというでしょう。
H:ワーンワン、ワーン。
T:うるさいよ。これが「赤外線」だね。
H:そのまんまというか素直なお名前。
T:太陽の光にあたるとあったかいよね。この「熱」は赤外線のかたちで来てるから、見えないんだ。
でも蛇なんかは、この赤外線を感じて獲物をみつけるそうだ。人間や哺乳類の体温からも赤外線がでてるんだ。
H:クーン、怖いね。
T:では紫の外の、眼に見えない光をなんと呼ぶかニャ。
H:これは「紫外線」だワーン。
T:そうだニャー。肌が日焼けしたり、窓際のカーテンが色あせたりするのは、この紫外線の仕業なんだ。
モンシロチョウなどは、羽根を紫外線で見てオス・メスを見分けるそうだ。
H:そうなんだ。
T:よく化粧品などにUVケアーとかUVカットと書いているのは、ウルトラ・バイオレット、つまり紫外線をカットして日焼けを防ぐということなんだニャー。
H:ナルホド・ザ・ワールド。
T:無意味なあいづちだニャ。こんな物でも分光できるよ!

○透明なボールペンの軸で分光

○CD(コンパクト・デスク)板で反射して分光
T:透明なボールペンの軸やコンパクト・デスク(CD)板でも分光できるぞ。
H:ホントだワン。
T:実は回折格子(回折グレーティングともいう)は、1ミリほどの幅におよそ1000本もの溝を刻んで光を分光する装置なんだ。CDは図らずもそのような構造になっていたんだ。
H:この光のスペクトルは何かの役に立つのかな、ワン。
T:遠い星や太陽の光のスペクトルをくわしく調べると、その天体の構成成分や表面温度など、さまざまな情報が得られる。かつて手の届かない宇宙の研究にとって、光こそが唯一の手がかりだったんだよ。
H:ワン。光のスペクトルを見るだけなら割と簡単。みんなも試してみてね!
T:じゃ今日はこの辺で。

ハヤト:皆からの質問待ってるよワン。
ト ラ:身近な不思議や疑問があったらメ−ルを送ってね。ニャー。