☆ポスター 「皆既月食と天の川」
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○雄大な夏の天の川といて座で起きた皆既月食中の月です。夏の天の川が左上のわし座から、右下のいて座の弓の方へと、画面を大きく斜めに横切って流れています。
左上に1等星アルタイルを中心とした、わし座の三ツ星が見えます。下方の中央よりやや右に「南斗六星」のひしゃくが認められます。その右は天の川の最も濃密なところで多くの星雲や星団が集まっています。赤みを帯びた散光星雲は下の方からM8(干潟星雲)、M20(三裂星雲)、M17(オメガ星雲)、M16です。
月の左手、画面の左端の方にやぎ座の頭に輝くα星、β星が縦に並んでいます。α星が2重星であることもよくわかります。
夜空の暗いところで、ちっとも動かない雲があると思っていたら、実は天の川だったという話もあります。そのような暗い夜空でこそ、星々は生き生きと輝きます。
☆1月 「モンキー星雲」

○オリオン座の散光星雲(NGC2174・2175)です。よく見ると横を向いた猿(孫悟空?)に似ているのが名前の由来です。3300光年のかなたのスペースモンキーです。
散光星雲は次の3つのタイプに分類されます。「HU領域」、手前にある星の光を反射している「反射星雲」、星が大爆発して飛び散った「超新星残骸」です。モンキー星雲はHU領域と分類されています。
HU領域というのは、生まれたばかりの星の周囲を漂う主に水素原子のガスが、星からの紫外線により電離し、1万度程度に過熱されて光っているものです。電離状態の水素原子をHUと表記するため、こう呼ばれます。代表的な例としてはM8(干潟星雲)、M42(オリオン大星雲)などがあります。HU領域の特徴的な赤い光は、水素原子の出すHα線(波長656.3nm)のせいです。
☆2月 「木星」

○ガス・ジャイアントとも呼ばれる太陽系最大の惑星です。木星は約12年で太陽をひとめぐりします。中国では年の干支(えと)とともに循環するので「歳星」と呼ばれます。
簡単な望遠鏡でも、木星の表面には2本の縞模様が目に付きます。南半球には、地球がいくつも入るほどの楕円形の「大赤斑」があります。これは表面の巨大な渦巻きです。木星は巨大な体に似合わず、9時間50分という高速で自転しています。大赤斑も木星の自転に伴い時々刻々と動いてゆきます。
☆3月 「大マゼラン雲」

○南天随一の見ものがこの大マゼラン雲です。この銀河は我々の銀河から16万光年の距離にあり、小マゼラン雲とともに一番近いお隣の銀河です。さらに北天のアンドロメダ座大銀河などとともに局所銀河群を構成しています。
1987年2月23日、大マゼラン雲で超新星が出現しました。これは1604年に現れたケプラーの新星以来の肉眼超新星でした。この超新星は、日本の岐阜県にあるニュートリノ観測装置「カミオカンデ」でも観測され、次の「スーパーカミオカンデ」建設の契機となりました。日本から見えない南天の現象が観測できたのは、ニュートリノが地球を貫通してきたからです。
☆4月 「北天の星々と低緯度オーロラ」

○山梨県で撮影された北天の星野です。星々が時計の針と反対方向に動いていきます。画面の左上に北斗七星があります。7つの星のうちコップと柄のつなぎの星がいくぶん暗いのがわかります。
太陽活動の活発な年で、ふだん極域でしか見えないオーロラが山梨県に出現しています。北の方向であることと時間から薄明ではありえません。流星が直線のアクセントをつけました。
☆ 5月 「おおぐま座の系外銀河・M81・M82」

○おおぐま座の銀河のペアです。画面左のM82は、激しい電波を出していることやその姿のため、爆発銀河とも呼ばれました。日本の誇るすばる望遠鏡で撮影したところ、中心から高温の水素ガスが噴出している明瞭な映像が得られました。すばるのベストショットの1枚でしょう。一方のM81は典型的な渦巻き銀河の姿を見せています。
M81は7.9等、M82は9.3等の明るさです。距離はいずれも1790万光年(天文年鑑)と同じくらいで、両銀河の間には何らかの関わりあった歴史があるかもしれません。
☆6月 「火星VSアンタレス」

○2001年6月の地球最接近の頃の火星です(中央左)。2003年8月末の「地球大接近」の1回手前の接近でした。このとき火星は、さそり座の1等星アンタレス(中央右)の隣に圧倒的な明るさで輝いていました。
アンタレスはご存知のようにアンチ・アレスつまり「火星の対抗者」という意味で、両星の接近は赤い星同士の接近として注目されていました。
2003年に火星がアンタレスに接近するのは、夏ではなく2月初め頃の未明になります。大接近の頃にはみずがめ座に輝きます。
☆ 7月 「七夕伝説」
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○夏の天頂方向の天の川です。七夕伝説で知られた織姫星(こと座のベガ)、彦星(わし座のアルタイル)などが見えます。はくちょう座は、七夕伝説では天の川に橋をかけるカササギのようです。
中国の七夕伝説が西方へ伝えられる過程でカササギが白鳥に変化したのか、その逆なのか、それとも独自に生まれたのか、なかなか興味深いものがあります。
それにしてもこの圧倒的な星の数に驚かされます。や座・いるか座なども見つかります。
☆ 8月 「いて座の散光星雲」

○いて座の散光星雲、M8(干潟星雲・下)とM20(三裂星雲・上)です。ポスターの一部のクローズアップです。いて座の天の川には無数の星が集まっています。
M8は散光星雲の中でもHU領域として知られています。いわゆる若い星の輻射により、高温で水素が電離した領域です。低温の暗黒星雲の中で星が生まれると、その強い紫外線放射により、周囲のガスはHU領域となります。そのためHU領域は暗黒星雲と混在し、散開星団を伴う場合も多くあります。バラ星雲やM16などもそのよい例です。
☆ 9月 「コペルニクス付近」

○月面の西部、雨の海の南部に偉容を誇るコペルニクス・クレーターです。コペルニクスの火口壁は複雑な階段状になっています。下弦を過ぎた月齢24の頃で、コペルニクス・クレーターから見ると日没を迎えようとしています。
画面は左手が北で、コペルニクスの北にはカルパティア山脈が連なります。反対に南(右)側にあってコペルニクスに次ぐ大きさはラインホルト・クレーターです。太陽高度が低く、コペルニクス周辺の細かい凹凸が良く見えています。
☆10月 「昇るカシオペア座」
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○秋の宵に北の空に高く昇るカシオペヤ座も、春の未明には地平線近くに見えています。地上の風景のため、写真の地平線は図より高くなっています。
薄明と間違えそうな赤みを帯びた光が見えていますが、秋の午前3時半頃はまだ薄明も始まっていませんし、方角も違います。これは北の空に出現したオーロラを捉えたものです。オーロラの中でも、高い高度に輝く、電離した水素の赤い光が見えているそうです。山梨県でオーロラが見えたとは、かなり珍しい出来事でしょう。
☆ 11月 「ちょうこくしつ座の系外銀河NGC253」

○ちょうこくしつ座の系外銀河です。これではタイトルと同じだ。秋のくじら座の尾のβ星の南にあります。8.9等と望遠鏡では見やすい明るさですが、高度が低いため南中の頃が見頃です。細長いアンドロメダ大銀河といった感じです。
星座名は普通ひらがなで表記します。「ちょうこくしつ」は「彫刻室」のことです。Sculptorは英語では彫刻家です。彫刻室というのは芸術家のアトリエみたいなものでしょうか、それとも彫刻職人の作業場なのでしょうか。イメージが浮かびません。この星座絵を描けといわれたら困るでしょうね。
☆ 12月 「冬の星々とニ惑星」
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○冬空の絢爛たる星座たちです。おうし座に木星と土星が加わってひときわ賑やかです。全天一明るい恒星であるおおいぬ座のシリウスも、木星の前では色あせてしまいます。
「終わりなき戦い」を繰り広げる牡牛対オリオン、大犬、小犬の連合軍です。木星と土星が牡牛に加勢したため、状況が一変したようです。