2001年のおもな天象

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 暦は西暦2001年、平成13年、辛巳(かのとみ)・平年です。元日は月曜で干支は甲子。振替休日が4日あります。

○日食・月食
 2001年には日食が2回、月食が2回、そして年末には半影月食が起きます。以下の現象の時間は日本の場合です。
  1月10日未明  皆既月食(日本で見える)
  6月21日     皆既日食(アフリカ南部などで皆既食。日本では見えない)
  7月5日深夜   部分月食(日本で見える)
 12月15日未明  金環日食(太平洋・中央アメリカなどで金環食。日本では見えない)
 12月30日宵    半影月食(日本で見える)
 このように日月食に関しては、ほとんどのパターンが起きてしまいます。起きないのは、地球上では皆既にならない部分日食くらいでしょう。

○惑星現象
 △惑星食
 2001年に惑星食は29回ありますが、日本で見えるのは次の3回だけです。
  8月16日未明の木星食(日本各地で見える)
 10月 8日未明の土星食(東北地方以北で見える)
 11月 4日朝の土星食(九州南部を除く各地で見えるが、潜入は日の出後となる)

 △それぞれの惑星の動
 水星:見やすいのは5月下旬の夕方、10月下旬から11月上旬の明け方。10月30日の明け方には、金星と接近します。夏の7月13日の明け方には、木星と並びます。

 金星:3月末の内合を境に、その前は宵の明星、後は明けの明星となります。地平光度が高く、金星のよく目立つ年となります。1月に東方最大離角、2月には宵の空で最大光度、3・4月は太陽に近く目立たないものの5月には明けの空で再び最大光度、6月には西方最大離角です。さらに7月15日の朝には土星に接近、8月6日の明け方には木星と接近します。この浮気なビーナスの、今年最後のお相手は水星で、10月30日の明け方です。

 火星:およそ2年2ヶ月ごと地球に近づく火星は、今年大接近の1回手前の接近となります。年明けそうそう火星は、さそり座のアンタレスに近づいていきます。夜更けの空に火星が昇る3月4日、火星はアンタレスの北約5度半ほどを東に通過します。火星は5月半ばから逆行を始め、アンタレスに向かって進みます。7月20日、アンタレスの東約6度まで接近し、ようやく歩みを止め、やがて東に離れていきます。火星はアンタレスの周囲に2月から8月ころまでいることになります。その火星、6月22日に地球に最接近し、-2.3等と木星ほど明るく輝きます。
 6月に衝(太陽の反対方向)ということは、冬至のころの太陽の位置にいるわけで、空高く昇ることはなく、観測に適した時間も限られてきます。
 火星は11月26日の夕方、やぎ座の天王星と接近します。

    火星2001 (拡大

     ○6月26日23:07 梅雨の合間に久しぶりに顔を出した火星




 木星:火星がさそり座付近を周遊するのに対し、夜更けの明星・木星はそのほぼ反対方向のふたご座に布陣しています。4月いっぱいまでは土星とともによいの西空を飾ります。火星が衝となる6月には合となって見えません。7月13日の明け方には水星と接近。8月6日の明け方には金星と接近。8月16日未明にはついに月に食されます(木星食)。10月ころからは夜更けの空に昇るようになり、しだいに観測好期となります。木星の衝は来年の1月1日で、今年の木星は衝がありません。2年後の2003年には土星が「衝のない年」を迎えます。

 土星:木星より倍も遠い軌道を巡る土星は、今年おうし座で一休み。2000年に木星に追い越されたため、夜空に昇るのは土星の方が早くなります。4月までは宵の空に、7月過ぎからは明けの空に見えるでしょう。望遠鏡では大きく開いた環が楽しめます。

 天王星:やぎ座の尻尾の付近に6等星で見えます。衝は8月16日で木星食の日になります。自転軸が横倒しになった「変わり者」です。

 海王星:やぎ座の頭の付近にある8等星です。7月30日が衝です。

 冥王星:へびつかい座に宿る14等星です。1999年に太陽系の最遠の惑星の座を、海王星から20年ぶりに奪還したものの、EKBO(エッジワース・カイパー・べルト・オブジェクト)なるさらに遠い惑星が続々と発見されています。

○彗星・流星
 なんといっても注目は、11月のしし座流星群です。'98年ころより「世紀末の天文ショー」と騒がれましたが、今なおしぶとく「21世紀初頭の天文ショー」として注目を集めています。その理由は、イギリスのアッシャー博士の予測で、日本からは好条件で1時間に数千個の流星が見られるかもしれないとのことです。11月17日を中心としてその前後の日も目が離せません。
 1月のりゅう座ι流星群、8月13日のペルセウス座流星群、12月14日のふたご座流星群も良い条件で観測できそうです。
 彗星はあまり注目されていませんが、まさに明るい彗星が「彗星のごとく」現われるのを期待したいものです。

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○各月の天象
                       この色は夕方、夜半前などの現象
                       この色は夜半過ぎ、明け方などの現象
                       この色は朝夕の区分に適さない現象
1月:まずは新年恒例のりゅう座ι(四分儀)流星群です。極大予報は3日21時で、上弦の月がありますが、まずまずの条件でしょう。
 次に何といっても10日未明の皆既月食です。欠けはじめ3:42、食の最大5:52、食の終り6:59です。東京の日の出が6:51、月没7:00なので食の終りころは薄明や月の高度が下がるなどで見づらくなるでしょう。(西の地域になるほど日の出、月没とも遅くなります。)
 この月食の最中の4:20(東京)に、ふたご座δ(3.5等)を食するというおまけがついています。
 宵の空高く木星と土星がおうし座に光っています。プレアデス星団、ヒアデス星団、1等星アルデバランなどと一緒に標準レンズに納まりそうです。6日には木星、土星に月が接近します。
 17日は宵の金星が東方最大離角となります。宵の金星と木星、土星を1枚の画面に撮影するには広角レンズが必要でしょう。オリオン座など華やかな冬の星座が周囲をかざります。キラ星たちの共演です。
 明けの空には、火星が南東に光っています。おとめ座からてんびん座に移り、さそり座に近づきます。

2月:2日から3日にかけて、おうし座の木星、土星に上弦過ぎのが接近します。5日の未明には牡牛の角の先の星ζ(3.0等)を月が隠します(星食)。8日の満月は今年最大の満月で、視半径16分44秒です。22日には宵の金星が、-4.6等と最大光度になります。昼間の空にも見つけられるようになります。
 ところで今月の半ばには火星が西矩となりますが、このころ主な惑星が十字形に配置しています。地球から見ると太陽の西に火星と冥王星、東に木星と土星、太陽の方向には水星、天王星、海王星です。金星だけが太陽の東へ40度ほど離れてぎらぎら光っている状態です。
 太陽を中心として俯瞰すると、木星・土星連合軍が火星・冥王星連合軍と対峙し、90゜はなれてか天王星・海王星連合軍が太陽をはさんで地球・水星連合軍と向き合っています。金星だけが1歩離れて木星と地球の間の方向にあります。このようすは諸惑星の争いを金星が静観しているようにも、あるいは美の女神・金星のために諸惑星が争っているようにも見えます。
    2001.2.14の太陽系A 2月14日ころ:8惑星が太陽の四方に配置

    2001.2.14の太陽系B

3月:いよいよ4日、火星アンタレスの北5゚半を東へ通過します。アンタレスがアンチ・アレス(火星の敵)という意味であることはすでにご存知でしょう。中国ではかつて火星を螢惑(けいこく)といい、「螢惑心を犯す」あるいは「螢惑心に入る」といって天下大乱のしるしと恐れられたそうです。心(しん)とは28宿でいう心宿でさそり座のことです。

 やや冷静に考えると火星の公転周期は1.88年(約1年と11ヶ月)なので、およそ2年ごとに火星はさそり座に接近するはずです。事実1999年9月15日の宵にもアンタレスに接近しています。次は2003年1月下旬の明け方に接近します。火星と地球の会合周期は約780日(2年と50日)ですが、地球も位置を変えるため前回の火星とアンタレスの接近は1年6ヶ月前、次回の接近は1年10ヶ月後となり、多少変化します。その次は2005年1月10日(約2年後)の未明ころです。前々回は1997年10月10日(約2年前)の夕方です。

 2日の宵には月が土・木星に接近します。月末の29日にも、より細い月が接近します。
 6日の未明には、ふたご座δ(3.5等)が食となります。

4月:宵の空のおうし座には相変わらず木星と土星が見え、26日には三日月が接近します。いつのまにか宵の空から姿を消した金星が、今月後半ころより明け方の空に現われます。
 夜更けに南東の空低く昇る火星は、いよいよ観測シーズンに向かいます。夏の天の川の中で火星が待機中です。

5月:5日、明けの明星・金星が-4.5等の最大光度になります。昼間の空で探してみましょう。
12日には火星が逆行を始めます。逆行するのは地球が外惑星に近づいた印です。火星の視半径は月の初めは7.1秒角、月末で9.6秒角です。
 22日の水星の東方最大離角は、夕方としては今年一番の好条件です。双眼鏡があれば、大助かりです。
 1日の上弦は今年最大、15日の下弦は今年最小です。

6月:南の空で火星がじわじわとアンタレスに近づくようすは、何を暗示するのでしょう。13日は火星の衝、22日は地球に最接近です。最接近時の火星の視半径は10.4秒角で、衝のころの土星より大きくなります。
 明けの金星は8日、最大離角となります。宵の火星と明けの金星が何か対称的です。

 今月の半ばは地球から見ると、諸惑星が2分状態になります。太陽の方向に木星・土星・水星、太陽の反対方向に火星と冥王星が対峙します。太陽系を俯瞰すると、地球を含めたこれらの天体が直線状に並ぶことになります、金星と天・海王星はちょっと離れて傍観状態です。いわば3惑星を除き太陽を加えた惑星直列です。
 21日の夏至の日は新月で、アフリカ南部などでは21世紀最初の皆既日食となります。太陽活動の活発なころと予想され、コロナの形状が注目されます。
   2001.6.14の太陽系A  6月14日ころ:太陽と6惑星の直列

   2001.6.14の太陽系B 


7月:5日の深夜から、日本各地で見える部分月食が起きます。食の最大は23:55で月の半分ほどが地球の影に入ります。起きる場所はいて座で南の空になり、その西方に最接近を過ぎた火星が輝いているでしょう。
      

    7月5日の部分月食
  

写真 撮影時刻
共通:2001年7月5日
ニコン20cm直焦+ニコンF3
※およそ左上が北
21:51
すでに21:11に半影食が始まっているが、よく見えない。

露出・1/60秒
22:33
部分食の始めが22:35なので、部分食直前のようす。

露出・1/60秒
22:45
部分食が始まって10分ほど。
 
露出・1/30秒

※いずれもうす雲を通しての撮影。この後本格的に曇ってしまった。



 土星・木星が明けの空に見えてきます。明けの水星が10日、最大離角となりますが、13日には木星の南約2゚に並びます。また明けの金星が、15日未明、土星の南約1゚に接近します。この明けの4惑星に、17日から19日にかけて月が次々に接近します。
 宵の火星は20日、留となってようやく順行に転じ、東へ向かいはじめます。このときアンタレスの東約6゚に並んでいます。

8月:よいの火星は、へびつかい座を東に進みます。
 12日のペルセウス座流星群は、夜半まで好条件で観測できるでしょう。極大予想は13日午前1時ころですが、おしくも夜半ころ下弦の月が昇ってきます。
 明けの空で6日、金星が木星の南約1゚に接近します。明るい星同士なので、早起きした人の目をひくことでしょう。
 16日未明、ふたご座の木星が月に隠されます(木星食)。夏休み中とあって多くの観測が行われるでしょう。この日はまた、天王星がやぎ座で衝となります。

木星食

 ○木星の出現 2001年8月16日3:57ころより
    潜入の3時ころまで全天曇っていたが、3時半頃から雲が切れ始めた。出現の後、しばらくしてまた曇ってしまった。
   △共通データ 
     20cm屈折望遠鏡 + ニコンF3 露出:1/30秒
     フィルム:フジ スペリア400 

月と木星 木星の拡大 備考
木星食-1 kakudai-1 木星の一部が出現
木星食-2 拡大-2 木星の半分以上出現
木星食-3 拡大-3 木星がすべて出現



9月:宵の南の空の火星は、いて座の中を東へ進みます。月末の光度は-0.5等ほどで南斗六星のあたりです。
 明けの空高く木星と土星が見えます。木星は土星をおうし座に残して、ふたご座へと移っています。明けの明星・金星もまだまだ明るく輝きます。金星はかに座からしし座へと動き、21日の朝にはレグルスの北約0.5゚に接近します。
 27日には土星が逆行をはじめ、観測シーズンに入ります。土星は環の南側が見えています。
 3日の満月は視半径14'43"で、今年最小の満月です。今年最大の2月8日の満月と比べると視半径が12%も小さくなります。

10月:よいの南の空の火星は、いて座からやぎ座へと進みます。
 明けの空には、土星と木星と金星が見えます。明けの月が8日には土星と、10日には木星と、15日には金星とそれぞれ接近します。良きシャッターチャンスとなるでしょう。8日の土星との接近は、東北地方より北の地域で土星食となります。札幌で潜入3:32、出現4:33です。
 30日には明けの水星が最大離角となり見やすくなります。この日、金星と約0.5゚まで接近します。見逃す手はありません。

11月:よいの南西の空に火星が見えます。26日の宵には天王星に接近します。
 3日には木星が逆行を始め、観測シーズンとなります。ふたご座にあって空高く昇ります。
 宵の土星も観測シーズンです。4日には九州南部を除く地域で土星食が起きます。ただ日の出後の8時過ぎの潜入で、観測はむつかしいでしょう。夜明け前の土星と月の接近を楽しむのもいいでしょう。
 23日の上弦は今年最小です。
 さてなんといっても注目は17日のしし座流星群です。一応の極大は17日の23時となっていますが、輻射点が空高くなるのは夜半過ぎです。幸い三日月で観測条件は最高です。果たして21世紀の初頭を飾る流星雨となるのでしょうか。



    ☆イギリス・アッシャー博士による
   しし座流星群ピーク予測(2001年)

  ピーク予測日時(JST)    :予測出現数(ZHR)  :観測可能地域
  2001年             :ダスト形成年
  11月18日 19時01分   : 2,500個?     : 北アメリカ・中央アメリカ
                    :  7回帰前(1767)のダスト

  11月19日 02時31分  : 9,000個     :オーストラリア・アジア東部
                   : 9回帰前(1699)のダスト

  11月19日 03時19分  : 15,000 個   : オーストラリア西部・
                                アジア東部・アジア南部・中央アジア
                   : 4回帰前(1866)のダスト

      ※ZHR = 1時間あたりの流星平均修正出現数。輻射点が天頂方向にあるとして期待される1時間の出現数。


12月:宵の空に土星と木星がよく見えます。土星は4日、おうし座で衝となり観測好期です。木星は来年の元日が衝で、こちらも観測好期です。輝星の多い冬の星座の中にあっても、木星の輝きは圧倒的です。木星に比べて控えめな土星の輝きは、中国で鎮星と呼ばれた理由がわかるような気がします。望遠鏡で見ると、土星ほどわくわくさせてくれる星も少ないのですが。

星座の中の木星と土星

      ふたご座の木星  12月18日         おうし座の土星  12月18日



 宵の南西の空低く、かすかながら火星も見えています。
 8日の下弦は、今年最大です。
 14日のふたご座流星群も、月がなく最良の条件です。ただ極大が14日の15時なので、前後の日も観測したいものです。
 15日の新月は、太平洋・中央アメリカなどで金環日食となりますが、日本では見えません。
 そして30日の満月は、地球の半影にだけひっかかる半影月食となります。肉眼で気づく人は少ないでしょうが、写真に取ると暗くなったことがわかります。ふたご座での半影月食、始めは17:25、最大19:29、終り21:33です。
 今年はふたご座、おうし座関連のイベントが多いようです。

 ○半影月食 12月30日

イメージ 撮影時刻・備考
共通データ
2001年12月30日
20cm屈折+ニコンF3
露出 1/250秒
フジ・スペリオ400
半影月食-1 18:10
(半影食の始め17:25)
東の空に低い
半影月食-2 18:30
南(右下)のチコクレーター
の下がやや暗くなっている
半影月食-3 19:30
(食の最大19:29)
食の最大の頃
月の南部が地球の半影
によって翳っている
半影月食-4 20:10
半影はチコの右上方向
に移動
半影月食-5 21:29
(半影食の終り21:33)
食の終り頃で、高度も高く
チコクレーターが明るい


 ○星図作成
 <ステライメージ:株式会社アストロアーツ:株式会社アスキー>

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