○地学

  「地震予知の可能性」

  2012年1月27日                                

○地震への対応、それぞれの文化が現れるでしょう。とにかく現在、地震の予知、どのようになっているのでしょう?



                           地震の予知の可能性

おもに週刊文春 2012126日号より

                                          (一部敬称を略させていただきました)

                      

予想一覧

No.

 研究者(肩書き)

 研究分野

 次の地震の可能性

 時期・確率・備考

 1

遠田晋次(京大防災研准教授)

地震地質学・内陸活断層地震

首都直下(最大でM7.5

いつ起きてもおかしくない

 2

濱嶌良吉(元前橋工科大教授)

地震予知・地殻変動解析

首都直下(M7.27.5

今年中の可能性も

 3

木村政昭(琉球大名誉教授)

地震予知・海洋地質学

三陸沖(M8.0

2015年±3

 4

宇田進一(国際地震予知研究会理事長)

地震雲による地震予知

日本海溝の外側(M9.09.2

1年以内にも

 5

斉藤好晴(環境防災研究会代表)

地震雲による地震予知

三陸沖、愛知県沖〜種子島海域(最大M78

1週間以内(115日発表)

 6

茂木透(北大理学研究院教授)

電磁気学的地下構造研究

根室沖(M89

いつ起きてもおかしくない

 7

神沼克伊(総合研究大学院大学名誉教授)

個体地球物理学

千島列島沖〜三陸沖、静岡西部沖〜日向灘、南西諸島海溝沿い(M9

時期は特定できない

20119.30 政府の地震調査委員会は、3.11「東北地方太平洋沖地震」により、「日本列島の5断層について、地震発生確率が高くなっている」との判断を示す

20121.11 地震調査委員会が、東海地震の30年以内の発生確率を1ポイント上げ、88%に修正。 

○石辺岳男(東大地震研究所特任教授)

    立川断層帯         M7.430年以内の確率 0.52%)
    糸魚川−静岡構造線     M8(同 14%)
      (牛伏寺断層を含む) 

    南関東           M7(同 70%)
    茨城県南西部        M7(同 90%超)
    東京湾北部〜銚子      M7(同 90%超)

●遠田晋次 

3.11で銚子では40cm東へ動いた。数年間はM7.5クラスの直下型地震に注意が必要。

 〔参考・理科年表等より〕
      安政東海地震(1854)  M8.4

      安政南海地震(1854)  M8.4  安政東海地震の翌日(32時間後)

安政の江戸地震(1855) M7.2  安政東海地震の約1年後

      関東大震災  (1923) M7.9

      阪神淡路大震災(1995) M7.3 

●濱嶌良吉

 「3.11により、南から伊豆半島を押し上げるフィリピン海プレートの力を、関東地方がモロに受けるようになった。昨年(20116月の牛伏寺断層(長野県)周辺の地震は、フォッサマグナがその力で動き出した兆候。今年中に、東京でM7クラスの地震が起きてもおかしくない」

◆地震調査委員会

  正断層地震(アウターライズ地震を含む) 

30年以内にM8.2前後で起きる確率 47

  ※アウターライズ地震 日本海溝付近の震源域よりさらに沖合いのプレートで起きる
      陸のゆれは小さいが、大きな津波を発生させる(例は以下の2つ)

 〔参考・理科年表等より〕 
      明治三陸地震(1896)  M8.2

      昭和三陸地震(1933)  M8.1  明治三陸地震の37年後
                      大船渡(岩手県)で海抜28メートルの大津波

●木村政昭

 大地震の予兆となる小さな地震の集まりを「地震の目」と呼ぶ。「三陸沖北部で地震の目が出ている。M8前後で2015年±3年の誤差で起きる可能性がある」

●宇田進一

 NPO法人国際地震予知研究会のホームページで、地震雲による予報と過去ログを公開している。75%の確率で的中させてきたという。宇田氏によると、上空の「大気重力波」は、一般的には地形や気象状況によって起きる上下の波とされるが、地震前の地盤の変化を表しているという。この「大気重力波」の上には「さざなみ雲」と呼ぶ特徴的な形の雲が発生し、その雲を衛星写真で確認することによって、地震を予測する。

 宇田氏は今年に入ってもいくつかの地震を予知している。氏が今もっとも警戒しているのが、東北から千葉沖の日本海溝の外側で発生するアウターライズ地震である。

 「さざなみ雲の面積が全地球の68割くらいの規模になっており、計算するとM9.2くらいになる。ただこれまで的中させてきたのはM7クラスまでで、不確定要素が多い」

●斉藤好晴

 植物の電位を計測して、地震を予知する研究。
 さざなみ雲の経験則では、さざなみ雲が発生して1週間以内には地震が発生している。115日に発表したひとつは、三陸沖M6級。もうひとつは愛知県沖から種子島の海域で最大M63.11の余震活動という。


○山岡耕春(名大地震火山研究センター長)

 「三陸沖から茨城沖にかけて、今後数年間はM7クラスの地震が年に12回は起きるでしょう」

●茂木透

 電磁波による地殻活動の探査を専門とする。「北海道東部では太平洋プレートが沈み込んでいるが、一様ではない。根室沖には、大きな滑り遅れ領域が見つかっている。その広がりからM89の地震もありえる、非常に警戒すべき状況」


○生田領野(静大理学部地球科学科助教)

  「GPSによると、根室沖では3.11前の東北沖よりも広範囲でプレートが引きずり込まれている。政府予測のM7.9よりも大きい地震となる可能性も十分ある」


○早川正士(電通大名誉教授)

 本震前にプレート内で起きる地殻の事前破壊を電気的にキャッチして、1週間後の短期予測を行う。
 「直近では119日から26日までに北海道南部から三陸沖北のエリアで、M5級が予測される」


●神沼克伊

  火山・極地研究で知られる。M9クラスの地震は「三陸沖から十勝沖、根室沖、千島列島にかけての千島・カムチャッカ海溝沿い。静岡県西部沖から宮崎県の南海トラフ沿い。日向灘から南西諸島海溝沿い。時期は明日なのか百年後かわからない」という。

■地震予知に関しては、国の研究レベルで「巨額な予算をつぎ込む割に、実効性のある予測ができていない」との声も。

■早川氏

 「政府が行う長期予測にも、防災、都市計画上の意義はあります。ただし国は短期予測には消極的。様々な観点から地震予測の研究を進めるべきです」

■生田氏

 「我々が常識だとだと思っていたことが反故になりました。大地震はいつ、どこでも起こりうるのです」


2012.1.23 東大地震研の平田直教授、M7級の首都直下型地震が4年以内に発生する確率が70%に高まったと試算。

 3.11震災前の、政府の地震研究所の南関東の予測、「M7級の地震が30年以内に70%」より、発生確率は飛躍的に高くなった。今回の試算は、3.11後の現在の地震頻度が、1020年程度続くと仮定した場合の数値という。

 平田教授は「大震災でひずみが解放され安全になったと考える人もいるが、危険度は依然高く、防災対策をしっかりやるべきだ」と指摘している。
                                〔産経新聞 124日(火)〕

                          月光天文台 2012.1.24                                           〔参考:理科年表・平成24年版〕

                                                                

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